不動産の売却手段として、仲介と買取はしばしば比較されます。仲介では不動産会社が売買契約を仲介し、買主を見つける過程で価格が決定されます。一方、買取では不動産会社が直接物件を購入し、手間がかからず迅速な現金化が可能です。本記事では、両者の違いについて詳しく解説します。
仲介と買取は、不動産や商品の取引において重要な役割を果たしますが、その仕組みや特徴には大きな違いがあります。
不動産会社は売主の代理として販売活動を展開します。たとえば、物件のポスティングや不動産ポータルサイトへの掲載を行い、物件の魅力を最大限にアピールします。そして、物件が無事に売れた際には、成功報酬として売主と買主、またはどちらか片方から仲介手数料を受け取ることで収益を得ます。
2. 買取とは
買取は、不動産会社が直接物件を買い取ることを指します。買取での売却では、買主は個人のお客様ではなく不動産会社となります。
仲介で必要な販売活動は一切行わず、不動産会社が提示した査定額に売主が納得すれば、すぐに売却が完了します。シンプルかつ迅速な取引が特徴の買取は、即現金化を希望する売主にとって理想的な方法と言えるでしょう。
不動産の売却における仲介には、以下の3つの種類があります。それぞれに特徴があり、売主のニーズや状況に応じて選ぶことが重要です。
専属専任媒介契約は、売主が1つの不動産会社にのみ売却を依頼する契約です。売主は自分で買主を見つけることができません。不動産会社が売却活動を全面的に担当します。3つの契約の中で、一番縛りが強い方法です。
契約有効期間 | 無制限 |
不動産会社との契約 | 契約できるのはひとつの不動産会社に限る。同時に複数の不動産会社とは契約できない。 |
自分で買主を見つける(自己発見取引) | 自分で買主を見つけて契約することができない。 |
売却状況の報告義務 | 7日に1回以上の頻度で依頼者に販売状況を報告することが義務付けられている。 |
レインズ(指定流通機構)の登録義務 | 依頼を受けた物件情報を5日以内にレインズ(指定流通機構)に登録することが義務付けられている。 |
売主にとって縛りが強すぎる方法ではありますが、不動産会社の集中したサポートが受けられ、早めに売却が成功することが期待できます。
この方法も、専属専任媒介契約と同様に、売主が1つの不動産会社に売却を依頼する契約ですが、売主自身で買主を見つけることも可能です。専属専任媒介契約ほど縛りは強くありません。
契約有効期間 | 3ヵ月 |
不動産会社との契約 | 契約できるのはひとつの不動産会社に限る。同時に複数の不動産会社とは契約できない。 |
自分で買主を見つける(自己発見取引) | 可能。不動産会社を仲介人とする必要もない。 |
売却状況の報告義務 | 14日に1回以上の頻度で依頼者に販売状況を報告することが義務付けられている。 |
レインズ(指定流通機構)の登録義務 | 依頼を受けた物件情報を7日以内にレインズ(指定流通機構)に登録することが義務付けられている。 |
複数の不動産会社と同時契約はできませんが、売主が自分で買主を見つけて売却することは可能です。1つの不動産会社が集中して販売活動を行うため、効率的な売却が期待できます。
契約有効期間 | 3ヵ月 |
不動産会社との契約 | 複数の不動産会社と同時に契約することが可能。 |
自分で買主を見つける(自己発見取引) | 可能。不動産会社を仲介人とする必要もない。 |
売却状況の報告義務 | 売主への売却状況報告は、義務付けられていない。 |
レインズ(指定流通機構)の登録義務 | 義務付けられていない。 |
この方法は、幅広く売却活動を行うことができ、多くの不動産会社のネットワークを活用できます。売主自身が積極的に売却活動を行うことも可能です。複数の不動産会社の力を借りて、幅広く売却活動を行いたい方に向いています。
ただし、不動産会社側から「他社にも依頼している」と見なされるため、販売活動の熱意が低くなる可能性があります。
続いて、仲介のメリットデメリットを解説します。まずはメリットからみていきましょう。
仲介を利用することで、買取よりも高い売却価格が期待でき、幅広いマーケティング活動や専門的なサポートを受けながら、安心して取引を進めることができます。買取よりも売却に時間はかかりますが、時間的制約がないのなら仲介の方が高い利益を得られる可能性が高いです。
2. 手間が省ける
買取よりも高い売却価格が期待できるだけでなく、売主の手間を大幅に省くこともできます。売却に関わる売却活動のすべてを不動産会社が代行してくれるため、売主自身が多くの手間をかける必要がありません。物件の宣伝、内見の調整、契約書の作成、交渉など、面倒な手続きを不動産会社が一手に引き受けてくれます。
3. 契約の安全性を担保できる
不動産の売買契約書と重要事項説明書には、不動産会社が仲介業者として記名押印を行います。これにより、不動産会社が書面を作成し、その内容を調査したことが証明されます。そのため、書面上の不備や告知義務の漏れがあった場合でも、不動産仲介業者が責任を負うことになり、売主だけに責任が集中することなく、契約の安全性を担保できます。
仲介には、契約の安全性や高い売却価格が期待できるなどの多くのメリットがありますが、デメリットもいくつかあります。
1. 仲介手数料がかかる
無事売却となった際、不動産会社に対して仲介手数料を支払う必要があります。不動産の売買仲介では通常、物件価格の3%+6万円が仲介手数料の上限として定められています。そのため、売却価格が高いほど手数料も高額になります。これが一番のデメリットと言えるでしょう。
2. 複数の会社に依頼できない場合がある仲介手数料がかかる
先に述べたとおり、仲介には専属専任媒介契約、専任媒介契約、一般媒介契約の3種類があります。専属専任媒介契約を選択した場合、1社にしか仲介を依頼できません。選択した契約形態によってはデメリットになる可能性がありますので注意が必要です。
続いて、買取のメリットを解説します。
1. 仲介手数料がかからない
買取では、不動産会社が直接物件を買い取るため、仲介手数料が発生しません。売主の負担が軽減されます。ただし、仲介手数料がかからないから得というわけでもなく、結果的に仲介で売却した方が利益がよかったケースもあります。
2. 短期間で売却(現金化)できる
買取では、不動産会社が直接物件を買い取るため、売却のスピードが非常に速いです。市場に出して買主を探す必要がなく、不動産会社の提示する査定額に納得すれば、即座に売却手続きが進められます。そのため、数日から数週間で現金化が可能となります。
3. 契約不適合責任が免除される
不動産の売買契約において、通常は契約不適合責任(旧・瑕疵担保責任)というものがあります。しかし、買取では不動産会社が直接物件を買い取るため、売主は契約不適合責任を免除されることが一般的です。物件の隅々まで調査し、リスクを理解した上で買取価格を設定するため、売却後に不具合が見つかったとしても、それは不動産会社の責任となります。
4. 近所に売却することがバレない
仲介による売却では、物件の情報を広く知らせるために、物件を広く告知するためにポスティングやチラシチラシ配布などの活動が行われることがあります。しかし、買取ではこうした掲載は一切行われません。不動産会社が直接買い取るため、物件の情報が広く公開されることがないのです。購入希望者の内覧対応も不要で、査定も一回で済むため、近所に知られたくないという方にとって、買取は非常に適した方法と言えます。
買取にもデメリットがあります。
1. 仲介よりも売却価格が安くなりやすい
不動産会社が物件を買い取る際、物件はそのまま再販されるわけではありません。通常、リフォームやメンテナンスが施され、市場に再び出されます。これには多くの手間と費用がかかります。リフォーム費用、広告宣伝費、販売活動費用などが含まれます。これらの費用を差し引いた上で、さらに利益を確保する必要があるため、買取価格は市場価格よりも低く設定されます。
買取価格は、一般的に仲介での売却価格の60%~80%になることが多いです。たとえば、3,000万円の物件なら1,800万円~2,400万円で買い取られることが一般的です。これは、相場の7~8割程度に相当します。
2. 物件によっては買取できないことがある
リフォームしても再生が難しいほど老朽化している物件は、不動産会社に買取を断られることがあります。
不動産会社の判断基準はそれぞれ異なるため、物件が買取可能かどうかは、実際に査定をしてみないことにはわかりません。老朽化が進んでいる物件であっても、不動産会社によっては買取を前向きに検討してくれる場合があります。そのため、まずは信頼できる不動産会社に査定依頼をしてみることが重要です。査定の結果次第で、買取可能かどうか、または他の売却方法を検討するかを判断することができます。
仲介と買取は、異なる売却方法であり、それぞれに向いている人がいます。
【仲介に向いている人】
・メリットを重視する人
物件の売却価格を最大限に引き上げたい人には、仲介が向いています。仲介では、複数の買い手候補と交渉し、競争原理を活かして最適な価格で物件を売却できる可能性があります。
・時間に余裕のある人
物件の売却に時間がかかっても構わない人には、仲介が向いています。仲介では、物件の買い手を見つけるまでに時間がかかる場合がありますが、その分より高い価格での売却が期待できます。
・柔軟性を求める人
売却条件や価格交渉などに柔軟に対応したい人には、仲介が向いています。買い手と直接交渉することで、細かな条件の調整や価格交渉が可能です。
【買取に向いている人】
・すぐに現金化したい人
すぐに現金化したい人には、買取が向いています。買取では、物件を迅速に売却し、即金化することができます。
・手間をかけたくない人
物件の内覧対応や買い手との交渉など、手間をかけたくない人には、買取が向いています。買取では、不動産会社が直接買い取るため、売主の手間が軽減されます。
・売却価格よりも安定性を求める人
売却価格よりも、確実性や安定性を重視する人には、買取が向いています。買取では、仲介よりも売却価格は低くなりがちですが、迅速かつスムーズに売却することができます。
仲介と買取はそれぞれ異なる売却方法であり、売主の状況やニーズによって適した方法が異なります。売却価格を最大限に引き上げたい、柔軟な売却条件を求める場合には仲介、スピードや手間の軽減を求める場合には買取が向いています。自身の状況や優先順位を考慮し、最適な売却方法を選択することが重要です。
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家を相続すると、多くの人が相続税の支払いを心配するものです。しかし、実際には相続税がかからないケースも少なくありません。この記事では、家を相続しても相続税がかからない主なケースについて詳しく解説します。基礎控除額の範囲内に遺産総額が収まる場合や配偶者控除、小規模宅地等の特例の適用がある場合など、具体的な条件を確認していきましょう。また、相続税がかかるかどうかを判断する手順や、相続税を払えない場合の対処法についてもご紹介します。
家を相続すると、たとえそれが自宅であっても相続税の対象になります。しかし、特定の条件を満たすと相続税がかからないことが多いです。以下の条件を満たす場合には、相続税が免除される可能性があります。
相続税には基礎控除額が設けられており、この範囲内に収まる遺産については非課税となります。
【基礎控除額の計算式】
3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数
たとえば、法定相続人が配偶者と子供1人の場合、基礎控除額は以下のようになります。
3,000万円 + 600万円 × 2 = 4,200万円
この4,200万円の範囲内に、自宅の評価額を含めた遺産総額が収まる場合には、相続税はかかりません。例を挙げてみましょう。
自宅の評価額(プラスの財産):3,000万円
現預金(プラスの財産):1,000万円
株式(プラスの財産):500万円
借入金(マイナスの財産):500万円
この例の場合、プラスの財産合計4,500万円からマイナスの財産500万円を差し引くと、遺産総額は4,000万円となります。この金額は基礎控除額の4,200万円以内に収まるため、相続税は発生しません。
2. 配偶者控除が適用できる場合
配偶者控除は、配偶者が相続する財産に対して適用される特例で、大きな控除額が認められています。具体的には、以下の2つの条件のいずれかを満たす場合に、相続税がかかりません。
・1億6,000万円までの相続財産
配偶者が相続する財産の合計が1億6,000万円以下であれば、相続税はかかりません。
・法定相続分までの相続財産
配偶者が法定相続分(相続財産の半分)を相続する場合、その範囲内であれば相続税はかかりません。
仮に、以下のような財産があったとします。
自宅の評価額:8,000万円
現預金:6,000万円
株式:2,000万円
配偶者がこれらすべてを相続した場合、相続財産の合計は1億6,000万円となり、配偶者控除の適用により相続税はかかりません。
なお、配偶者控除の適用要件は以下のとおりです。
・配偶者控除の適用要件
法律上の配偶者であること
相続税の申告書を提出すること
遺産分割が確定していること
3. 小規模宅地等の特例が適用できる場合
小規模宅地等の特例を利用することで、相続税が大幅に軽減される可能性があります。この特例を適用すれば、自宅が建っている土地の評価額を最大80%まで減額できるため、遺産総額が基礎控除額内に収まることが期待できます。
ただし、注意点として、この特例は建物自体の評価額を減額するものではなく、土地の評価額に適用されるものです。また、誰が相続するかによって適用要件が異なるため、細かい条件を確認する必要があります。
【小規模宅地等の特例を適用するための要件】
配偶者が相続する場合
・対象の土地が被相続人の自宅の敷地であること
・その土地を相続するのが配偶者であること
同居親族が相続する場合
・対象の土地が被相続人の自宅の敷地であること
・その土地を相続するのが同居していた親族であること
・相続税の申告期限まで対象の土地を所有していること
・相続税の申告期限までその土地にある建物に居住していること
同居以外の親族が相続する場合(被相続人が一人暮らし)
・対象の土地が被相続人の自宅の敷地であること
・その土地を相続するのが同居していない親族であること
・被相続人に配偶者がいない(死別・離別含む)こと
・相続開始前3年以内に日本国内にある取得者やその親族が所有する家屋に居住していないこと(被相続人が住んでいた家を除く)
・相続開始時に取得者が他の家屋を所有していないこと
・相続開始から相続税の申告期限まで対象の土地を所有していること
この特例は、同居していた家族が相続税の負担で自宅に住めなくなることを防ぐために設けられた制度です。原則として、配偶者や同居親族のみが適用できますが、被相続人が一人暮らしをしていた場合に限り、同居していない親族も要件を満たせば適用可能です。
自宅が相続税の大部分を占めることが多いため、この特例を適用できるかどうかをしっかり確認することが重要です。不明な点があれば、税理士などの専門家に相談することをお勧めします。
次に、法定相続人を確定し、基礎控除額を計算します。法定相続人とは、民法で定められた相続権を持つ人たちのことです。基礎控除額は、相続税の非課税枠を決めるもので、以下の計算式で求められます。
基礎控除額の計算式
3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数
たとえば、法定相続人が配偶者と子供1人の場合の基礎控除額は以下のようになります。
3,000万円 + 600万円 × 2 = 4,200万円
法定相続人を確定するには、戸籍謄本などの公式書類を調査し、正確な相続人の数を把握します。これにより、基礎控除額が決まり、相続税がかかるかどうかの判断が可能となります。
具体例として、次のようなケースを考えてみましょう。
配偶者
子供1人
この場合、法定相続人は2人となり、基礎控除額は4,200万円です。
次に、遺産総額を計算し、基礎控除額と比較します。遺産総額が基礎控除額以内であれば、相続税はかかりません。
思いのほか相続税が高額だったりすると、納期限までに相続税を払えない場合があります。そんなときのために、いくつかの納税資金を用意する方法があります。ここでは、相続税を払えないときの対処法をご紹介します。
以下の方法は、すべての相続人の同意が必要です。
不動産や書画骨董などを売却して現金化します。現金に換えれば、そのお金で相続税を納付できます。ただし、不動産の売却には、名義を相続人に変更する相続登記が必要です。また、すぐに売却できない場合もあるため、早めの対策が必要です。
預貯金など、すぐに分割できる財産のみ先行して遺産分割協議を行い、その資金を納税に充てます。その後、不動産など現金化しにくい財産の遺産分割協議を行います。
2. 相続人全員の同意を得られなかった場合
相続人全員の同意が得られなくてもできる対処法もあります。
相続税を納期限の10ヵ月以内に納付できない場合、要件を満たし担保を準備できれば、分割払い(年払い)が可能です。延納の担保には、国債、地方債、社債、土地、建物などが使用できます。ただし、延納には利子税がかかります。
相続税を払えず、延納もできない場合、一定の要件を満たせば相続財産による物納が認められています。物納できる相続財産には優先順位があり、第1順位は不動産、国債、地方債、上場株式など、第2順位は非上場株式、第3順位は動産です。
相続税の納税資金がない場合、金融機関からお金を借りる方法もあります。ただし、利息も含めて返済が必要なため、負担が大きくなるかもしれません。しかし、国が認める延納でも利子税を支払う必要があるため、融資金利が延納の利子税よりも低い場合は、金融機関から借りるのも一つの方法です。
これらの対処法を検討し、適切な方法を選びましょう。
家を相続しても相続税がかからないケースとして、基礎控除額の範囲内に遺産総額が収まる場合や、配偶者控除、小規模宅地等の特例の適用がある場合が挙げられます。これらの条件を満たしていれば、相続税の心配は不要です。さらに、相続税がかかるかどうかを判断するための具体的な手順を踏むことで、適切な対処が可能です。万が一相続税を払えない場合でも、延納や物納などの対策があります。相続に関する知識をしっかりと身につけ、適切な手続きを行いましょう。
不動産を相続する際には、その評価額や税金についての正しい知識を持つことが非常に重要です。不動産の相続税評価額を適切に理解し、特定の条件下で評価額を減額できるケースを知ることで、相続税の負担を軽減することが可能です。また、不動産を相続した後には、固定資産税や登録免許税、さらに売却時には印紙税や譲渡所得税など、さまざまな税金が発生します。本記事では、不動産の相続に関する税金の評価額や減額のケース、具体的にかかる税金について詳しく解説します。
不動産の相続税評価額について、土地と建物のそれぞれの算出方法を詳しく説明します。評価の詳細については、国税庁の公式サイトや税理士などに相談してください。
建物の評価額は固定資産税評価額と同じです。相続税を計算する際には、固定資産税評価額がそのまま利用されます。
相続税の計算において、建物の評価額を知るためには市町村から送られてくる固定資産税評価額を確認してください。
2. 土地の相続税評価額
土地の相続税評価額については、主に以下の2つの方法で評価されます。
相続税の計算において、建物の評価額を知るためには市町村から送られてくる固定資産税評価額を確認してください。
【路線価方式】
市街地の土地に適用されます。
国税庁が毎年発表する価格で、土地が面する道路ごとに決定されます。通常、地価公示価格の80%程度です。
評価方法:路線価に土地の面積を掛けて評価額を算出します。
例: 路線価が「200千円/㎡」、土地の面積が「150㎡」の場合、
評価額 = 200千円/㎡ × 150㎡ = 30,000千円(3億円)
【倍率方式】
路線価が設定されていない地域の土地に適用されます。
倍率:国税庁が地域ごとに発表する倍率表を基に計算します。
評価方法:固定資産税評価額に倍率を掛けて評価額を算出します。
例: 固定資産税評価額が「50,000千円」、倍率が「1.1」の場合、
評価額 = 50,000千円 × 1.1 = 55,000千円(5.5億円)
相続税評価額を減額できるケースはいくつかあります。その中でも、借地権が設定されている土地の相続に関しては、相続税評価額を減額できる代表的な例です。以下に詳しく説明します。
【条件】
1.三大都市圏:地積が500㎡以上の宅地
2.三大都市圏以外:地積が1,000㎡以上の宅地
【三大都市圏の定義は?】
三大都市圏とは、以下のように定義された地域を指します。
・首都圏:首都圏整備法第2条第3項に規定する既成市街地または同条第4項に規定する近郊整備地帯
・近畿圏:近畿圏整備法第2条第3項に規定する既成都市区域または同条第4項に規定する近郊整備区域
中部圏:中部圏開発整備法第2条第3項に規定する都市整備区域
【地積規模の大きな宅地に含まれない場合】
以下の条件に該当する場合、地積規模の大きな宅地の条件を満たしていても、評価額の減額は適用されません。
・市街化調整区域や、都市計画法で工業専用地域と指定されている地域
・容積率が400%(東京都の特別区では300%)以上の地域にある宅地
【評価方法】
「地積規模の大きな宅地」と認定されると、その評価額は一定の減額が適用されます。具体的な減額率や評価方法は国税庁のガイドラインをご確認ください。
【貸家建付地の相続税評価額の計算方法】
貸家建付地の相続税評価額は以下の式で求められます。
評価額 = 自用地の価額 -(自用地の価額 × 借地権割合 × 借家権割合 × 賃貸割合)
自用地の価額:その土地が借地権などの制約なしに自由に利用できる場合の評価額。
借地権割合: 土地の評価額に対して借地権が占める割合。地域によって異なり、路線価図や評価倍率表で確認します。
借家権割合: 建物を借りる権利の価値を示す割合。一般的に30%とされています。
賃貸割合: 賃貸されている部屋の専有面積の合計 ÷ 賃貸物件の専有面積の合計。
【具体例】
たとえば、自用地の価額が1億円、借地権割合が60%、借家権割合が30%、賃貸割合が100%の場合:
自用地の価額: 1億円
借地権割合: 60% = 0.60
借家権割合: 30% = 0.30
賃貸割合: 100% = 1.00
評価額の計算:
評価額 = 1億円 -(1億円 × 0.60 × 0.30 × 1.00)
評価額 = 1億円 -(1億円 × 0.18)
評価額 = 1億円 – 1,800万円
評価額 = 8,200万円
したがって、貸家建付地の相続税評価額は8,200万円となります。
道路に面する部分の幅(間口)が狭い土地。
・奥行きが短かったり長かったりする土地
奥行きのバランスが悪く、利用に制限がある土地。
次に、不動産を相続したときに発生する税金について解説します。
不動産を相続してそのまま所有する場合、固定資産税(およびエリアによっては都市計画税)が課税されることになります。
【固定資産税とは?】
固定資産税は、毎年1月1日時点で土地、家屋、償却資産を所有している方に、所在地の市町村(東京23区は都)から課される税金です。この税金は固定資産税評価額(固定資産税を計算する際の基準となる評価額)をもとに、課税標準額が算出されます。
【都市計画税とは?】
都市計画税は、市町村(東京23区は都)が条例で課すことができる税金です。固定資産税と一緒に賦課徴収されますが、償却資産は課税対象外です。
【税率の計算方法】
固定資産税: 課税標準額×税率(標準税率1.4%)
都市計画税: 課税標準額×税率(制限税率0.3%)
【免税点について】
同じ市区町村内の同一人が所有する固定資産の課税標準額の合計が一定額未満の場合、固定資産税は課税されません。
土地: 30万円未満
家屋: 20万円未満
償却資産: 150万円未満
(参考:横浜市ホームページ 固定資産税 土地・家屋・都市計画税)
【賃貸用不動産の場合】
相続した不動産が賃貸用不動産であった場合、または相続後に賃貸用として活用する場合には、家賃収入が発生します。その収入から必要経費を差し引いたものが不動産所得となり、所得税および住民税が課税されます。
不動産所得についての詳細は、国税庁の公式ページ「No.1370 不動産収入を受け取ったとき(不動産所得)」をご参照ください。
※URL貼る
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1370.htm
2. 【相続時】登録免許税
相続した不動産を売却した場合、その売却収入から必要経費(取得費および譲渡費用)を差し引いたものが譲渡所得として扱われ、所得税および住民税が課税されます。不動産の譲渡所得は、申告分離課税(他の所得と合算せず分離して税額を計算する方法)によって課税されます。
【譲渡所得の計算方法】
譲渡所得は以下の計算式で算出します。
譲渡所得 = 譲渡価額 – 取得費 – 譲渡費用 – 特別控除
譲渡価額: 不動産の売却額
取得費: 不動産を取得(購入)するのに要した費用
譲渡費用: 不動産を売却するために要した費用
特別控除: 各種特例の適用要件を満たす場合、譲渡所得から特別控除額を控除することができます(例: 空き家にかかる譲渡所得の特別控除)。
【税率】
税率は不動産の所有期間によって異なります。所得税率および住民税率は以下のとおりです。
| 所有期間 | 所得税率 | 住民税率 |
| 短期譲渡所得(5年以下) | 30% | 9% |
| 長期譲渡所得(5年超) | 15% | 5% |
【相続による所有期間の引継ぎ】
相続によって不動産を取得した場合、亡くなった方が取得した日を引き継ぐことができます。これにより、譲渡所得税と住民税の計算において有利な長期譲渡所得の適用が受けられる場合があります。
3. 【売却時】印紙税と譲渡所得税
不動産を相続してその後売却する場合、いくつかの税金が発生します。代表的なものが印紙税と譲渡所得税です。
【印紙税】
不動産売買契約書を作成する際にかかる税金です。
税額は、契約書に記載される金額に応じて異なります。たとえば、1,000万円超5,000万円以下の契約書には1万円、5,000万円超1億円以下の契約書には3万円の印紙税がかかります。納税方法は、契約書に所定の金額の印紙を貼り、消印を行います。
【譲渡所得税】
不動産を売却して利益(譲渡所得)が発生した場合にかかる税金です。譲渡所得は、売却価格から取得費および譲渡費用を差し引いた金額で計算されます。
計算方法: 譲渡所得 = 譲渡価額 – 取得費 – 譲渡費用 – 特別控除
譲渡価額:不動産の売却額
取得費:不動産を取得するのに要した費用(購入価格や購入時の手数料など)
譲渡費用:不動産を売却するために要した費用(仲介手数料や修繕費など)
特別控除:各種特例の適用要件を満たす場合に控除できる額(例: 空き家の特別控除など)
税率は、不動産の所有期間によって異なります。
| 有期間 | 所得税率 | 住民税率 |
| 短期譲渡所得(5年以下) | 30% | 9% |
| 長期譲渡所得(5年超) | 15% | 5% |
所有期間の引継ぎ:相続によって取得した不動産は、被相続人(亡くなった方)が取得した日を引き継ぐことができます。これにより、譲渡所得税の計算において所有期間が長期となり、税率が低くなる可能性があります。
不動産を相続する際には、相続税評価額やそれを減額できる条件を理解することが不可欠です。形状が悪い土地や借地権が設定されている土地、広大な土地など、特定の条件を満たす不動産は相続税評価額を減額することが可能です。さらに、不動産の相続後には固定資産税や登録免許税、売却時には印紙税や譲渡所得税がかかるため、適切な税務処理が求められます。これらの知識を活用することで、相続に伴う税負担を最小限に抑えることができるでしょう。詳細な情報や具体的な手続きについては、国税庁の公式サイトや専門家に相談することをお勧めします。
不動産査定には主に「AI査定」「簡易査定」「実地査定」の3種類があり、それぞれに特長があります。また、査定価格は様々な方法で算出され、適切な準備も求められます。本記事では、査定の種類や価格算出方法、査定前の準備について詳しく解説します。
不動産査定は主に、AI査定、簡易査定、訪問査定の3つの方法があります。それぞれの特徴を説明します。
1.AI査定(所要期間:数分~即日)
AI査定は、物件の基本的な情報を入力するだけで査定額を簡単に算出できる便利なWebサービスです。個人情報として必要なのはメールアドレスのみで、他の個人情報は一切不要です。このサービスでは、過去の売却事例と入力された物件情報を照らし合わせ、AIが査定額を算出します。
AI査定の大きなメリットは、その手軽さとスピード感です。最短1分で査定結果を知ることができるため、時間を節約しつつ、簡単に物件の価値を把握できます。インターネット上で完結するため、外出する手間も省けます。
一方で、AI査定にはいくつかのデメリットも存在します。AIが計算する査定額は、入力されたデータと過去の取引データを基にしているため、最新の取引状況や個別の事情が反映されにくいです。そのため、査定の精度が必ずしも高いとは言えません。
AI査定はあくまで機械的な計算に依存しているため、専門家の目による細やかな評価や、現地の状況に基づいた査定とは異なります。そのため、実際の売却価格と乖離する可能性があることも念頭に置いておきましょう。
2.簡易査定(所要期間:即日~5日程度)
簡易査定、またの名を「机上査定」と呼ばれるこの査定方法は、最短で即日、通常は5日程度で査定結果が得られます。不動産会社が依頼を受けた物件の情報、取引実績、そして市場動向を元に査定額を算出します。
不動産会社によって使用するデータや情報は異なるため、査定額にも差が出ることがあります。例えば、A社では3,000万円と査定された物件が、B社では3,500万円と評価されることも珍しくありません。
そのため、机上査定を行う際には、複数の不動産会社に査定依頼をして比較・検討することが重要です。複数の査定結果を見比べることで、物件の正確な価値を把握しやすくなります。また、各社の査定根拠を理解することで、より納得のいく売却活動ができるでしょう。
3.訪問査定(所要期間:1~2週間程度)
訪問査定とは、不動産会社の担当者が直接物件を訪問し、詳細な調査を行ったうえで査定額を算出する方法です。結果が出るまでには、通常1週間から2週間程度かかります。
不動産会社は物件の状態を直接目視でチェックするだけでなく、近隣との境界や付帯設備、周辺環境や立地条件も含めて詳細に調査します。そのため、机上査定と比べてより正確な査定額が得られる可能性があります。
この詳細な調査によって、机上査定で得られた査定額と大きな差が出ることもあります。実際の物件の状態や周辺環境を考慮した査定が行われるため、より現実的な価格が提示されるでしょう。
訪問査定を行うことで、物件の真の価値を把握しやすくなり、売却を検討する際に役立つ情報が得られるでしょう。複数の不動産会社に訪問査定を依頼して比較することで、より納得のいく結果を得ることができます。
不動産の査定価格は、どのように算出されるのでしょうか。
1.取引事例比較法
取引事例比較法は、周辺の似ている物件の取引事例を基に査定価格を算出する方法です。特にマンションや土地(一戸建ての土地部分も含む)の査定に広く利用されています。
【取引事例比較法の手順】
1.類似物件の取引事例収集
対象物件と似ている物件の過去の取引事例を集めます。
2.成約価格の比較
集めた取引事例の成約価格を比較し、査定価格の基準を決定します。
3.価格の修正
駅からの距離や室内の状態など、物件固有の状況を考慮して価格を修正します。
類似性が高く、新しい事例を用いるほど、精度の高い査定結果が得られます。そのため、取引実績の豊富な不動産会社に査定を依頼することが重要です。経験豊富な不動産会社は、最新のデータを持ち、より正確な査定を行うことができます。
2.原価法
原価法は、所有する不動産を再度建築した場合に必要となるコストを基に算出する方法です。特に一戸建ての建物価格を算出する際に利用されます。
【原価法の手順】
原価法で査定価格を算出するには、再建築した場合のコストを計算し、さらに築年数に応じた減価修正を行う必要があります。計算式は以下の通りです。
「査定価格 = 単価 × 総面積 × (耐用年数-築年数) ÷ 耐用年数」
たとえば、面積20坪、築10年の木造一戸建てで、再建築費用が坪50万円の場合を考えてみましょう。
坪50万円 × 20坪 = 1,000万円
1,000万円 × (22年 - 10年) ÷ 22 = 約545万円
したがって、この物件の査定価格は約545万円となります。
原価法は、再建築コストと減価修正を基に算出されるため、特に築年数が少ない物件に対して有効な方法です。査定価格の目安を得るために、耐用年数や再建築コストを正確に把握することが重要です。
3.収益還元法
収益還元法は、その不動産が将来生み出すと予想される利益を基に査定価格を算出する方法です。主にアパートやマンション、オフィスなどの収益物件の査定に利用されます。収益還元法には「直接還元法」と「DCF法」の2つの方法があります。
・直接還元法
直接還元法は、不動産が1年間で生み出す純利益を、近隣の似た条件の物件の還元利回り(不動産の収益性を表す利率)で割って、物件の収益価格(査定価格)を求める方法です。計算式は「査定価格 = 1年間の純利益 ÷ 還元利回り」です。
・DCF法
DCF法は、将来得られる収益と売却価格を現在価格に換算し、それらを合計して査定価格を求める方法です。主に投資用不動産の査定に用いられます。
ただし、DCF法は計算方法が複雑であるため、直接還元法を利用する不動産会社のほうが多いようです。
次に、不動産査定を依頼する前にしておくべきことを説明します。
1.書類の準備
まず、AI査定や簡易査定を受ける際に必要となる情報は以下のとおりです。
・住所
・物件の種類
・面積
・築年数
・間取りなど
・訪問査定に必要な書類
訪問査定を受ける際に準備しておくとよい書類は、一戸建てとマンションで異なります。一戸建ての場合、以下の書類を用意しておくと査定がスムーズに進みます。
本人確認書類 | 運転免許証や保険証など |
登記簿謄本 | 法務局、インターネット(※インターネットから入手すると証明書としては使えません) |
権利証(登記識別情報通知) | 購入時に取得(紛失の場合は司法書士に相談) |
土地の実測図 | 測量士と土地家屋調査士に依頼する |
土地の境界が確認できる資料 | 測量士と土地家屋調査士に依頼する |
越境の覚書 | 隣人と協議して作成する |
建物の設計図書(確認申請図、竣工図等の建物図面) | 購入時に取得(紛失の場合は不動産会社に相談) |
建築確認申請書および建築確認済証 | 購入時に取得(紛失の場合は建設業者や市区役所から取得可能) |
検査済証 | 購入時に取得(紛失の場合は市区役所から台帳記載事項証明書を取得) |
固定資産評価証明書 | 毎年4~6月に郵送される |
2.物件の長所をまとめておく
不動産の査定や売却をスムーズに進めるためには、物件の長所をしっかりとアピールすることが重要です。以下に、思いつく限りのアピールポイントの例をまとめました。
交通利便性:電車やバスの本数が多く、通勤や通学に便利な立地です。
子育て環境:徒歩圏内に子どもを安心して遊ばせられる公園が多くあります。
安全性:夜間でも適度な人通りがあり、女性も安心して歩けます。
買い物の便利さ:早朝や深夜も営業しているスーパーがすぐ近くにあります。
教育環境:学区内の小学校や中学校の評判が良く、子育て世代に人気です。
また、物件の長所だけではなく、物件の設備や状態についても正確に伝えることが大切です。設備や建物に瑕疵がある場合は、隠さずにしっかりと伝えましょう。
3.物件の相場を調べておく
不動産価格の相場を調べる際に、不動産ポータルサイトで売却相場を確認することは基本的な方法です。ただし、ポータルサイトに掲載されている価格は「売り出し価格」であり、相場とは異なるため参考程度に留める必要があります。ここでは、より具体的に不動産価格の相場を自分で調べる方法を2つご紹介します。
【方法①】レインズマーケットインフォメーションで調べる
レインズマーケットインフォメーションは、公益財団法人不動産流通機構が運営するサイトで、全国の不動産取引情報を閲覧できます。不動産会社だけでなく一般の方も利用可能です。ただし、成約時期や築年数などの詳細は記載されていません。不動産取引が特定できないよう配慮されているためです。
・サイトで確認できる内容
価格:百万円単位で十万円単位を四捨五入して表示。
単価:万円/m²で小数点以下を四捨五入して表示。
面積(建物・土地):実際の面積に20m²の幅を持たせて表示(200m²超は「200m²超」と表示)。
築年:実際の築年に2年の幅を持たせて表示。
成約時期:成約された年月を3カ月で区切った範囲で表示。
・利用時の注意点
成約事例だけを基準にしないことが重要です。サイト内には「不動産の価格は個別要因や取引事情により変動し、一律に定まるものではないので、ご注意ください」という注意書きもあります。不動産の相場は、需要と供給、物件概要によって変化します。サイト内の成約事例と自分の物件を比較して、同じ価格で売却できると判断しないようにしましょう。
【方法②】土地総合情報システムを利用して取引価格を調べる
土地総合情報システムは、国土交通省が運営するサイトで、不動産の取引価格や地価公示、都道府県地価調査の価格を閲覧できます。こちらも一般の方が利用可能ですが、物件が特定できないよう詳細は分からないようになっています。
・確認できる取引情報
土地
土地と建物
中古マンション
農地
林地
物件の詳細については、「所在地」、「最寄駅」、「取引総額」、「坪単価」、「面積」などが分かります。物件の所在地は町名までの表示となり、町名で大まかな相場を把握することになります。
基本的にどの不動産会社に査定依頼をしても、訪問査定も机上査定も無料です。売却が成功したら仲介手数料が発生しますが、査定自体は費用がかからないので、売却を検討されている方はまずは査定だけでも受けてみてはいかがでしょうか。その際は記事内で説明した準備もしておきましょう。
不動産査定を依頼したとき、会社によって査定額が異なることがありますが、なぜそうなるのでしょうか。
結論から申し上げますと、不動産査定には不動産会社ごとに独自の基準や査定方法があり、営業スタイルも異なるためです。
本記事では、不動産会社による査定額の差が生じる理由や不動産の査定額を決める要素、高額査定を鵜呑みにするとどうなるのかについて解説します。
不動産の査定額を考える際には、買取と仲介という異なるアプローチがあることを認識しておく必要があります。
不動産の買取査定額は、不動産会社が「この金額で買います」と提示してくれる価格です。査定額がそのまま売却価格になると考えて問題ありません。
一方、仲介の査定は、「この金額で売り出せば買い手が見つかる」という見積もり金額が提示されます。あくまでも見積もりになるので、実際に査定額で売却できるかは分かりません。
さらに、査定額は不動産会社ごとに独自の基準で算出されます。法的には、不動産会社は査定の根拠を利用者に明示する必要がありますが、具体的な基準については各社の裁量に委ねられています。
前項で解説した査定を出すときの基準を使えば金額は統一できそうなのに、なぜ不動産会社によって査定額がバラバラなのか、不思議ですよね。
それは、最初にお伝えしたとおり、不動産会社ごとに独自の基準で査定額を出すからなのです。
独自の基準とは具体的にいうと、「査定方法」と「不動産会社の都合」です。
1.査定方法(参考にする取引事例)が違う
不動産会社は一般的に、公益財団法人である不動産流通推進センターが作成した「価格査定マニュアル」を参考に査定を行います。
不動産会社によって独自のマニュアルを使うこともありますが、ほとんどはこの価格査定マニュアルに準拠しています。しかし、同じマニュアルを使っていても、不動産会社ごとに査定額が異なることがほとんど。その理由は、査定方法(参考にする取引事例)が違うからです。
不動産の取引事例は数多く存在し、類似した物件でも様々な事情により取引金額は異なります。そのため、同じ査定方法を使っていても、不動産会社によって参考にする事例が異なると査定価格も異なってしまうことがあります。
たとえば、安い価格で取引された物件を参考にして査定された場合、低い査定金額が算出されることがあります。一方で、高い取引価格で取引された物件を参考にすると、高い査定金額が算出されることもあります。
2.不動産会社の都合によって高額査定を出すことがある
不動産会社の都合や戦略によっても査定価格に差が生じることがあります。
たとえば、インターネットの一括査定などで複数の会社に査定を依頼する場合、自社に売却を任せてもらうために、あえて相場よりも高い査定価格を提示してくる不動産会社も存在します。
また、最初に高めの売却価格を設定し、反響に応じて価格調整を行いながら、できるだけ高い売却価格で成約を目指すという方法を取る会社もありますし、短期間で確実に売れそうな価格に設定する会社もあります。
つまり、査定価格は単純に市場相場や物件の特徴に基づいているわけではなく、不動産会社の戦略や利害関係、売却価格を設定する方法が異なるのです。
高額な査定額を受けた場合、以下のような影響が考えられます。
1.買い手が見つかりにくくなる
市場の実際の相場よりも高い査定額を提示された場合、買い手が見つかりにくくなる可能性が高いです。買い手は類似物件と比較し、妥当な価格を求める傾向があるからです。
2.売却までに時間がかかる
高額な査定価格に基づいて売却を開始してしまうと、売却までに時間がかかる傾向にあります。買い手を見つけるまでに、長期間の交渉が必要となることもあります。
3.値下げ交渉の発生
買い手が相場価との差を指摘し、値下げ交渉を求める場合があります。このような交渉が発生すると、本来なら相場に近い価格で売却できたものを、売れ残りとして認識され、売却価格を下げざるを得なくなることがあります。
以上のことから、高額な査定を鵜呑みにして売却価格を設定するのは有利とは言えません。売却を円滑に進めるためには、相場に即した適切な査定価格を把握し、買い手が興味を持ちやすい価格帯での売却を目指すことが重要です。
一般的に、大手不動産会社はブランド力や広告宣伝力を持っており、売却をスムーズに進めることが期待されます。しかし、高額な査定額や大手であるからといって、必ずしも早く高額で売却できるわけではありません。
不動産を売却する際には、大手不動産会社と地元密着型の不動産会社を比較することが重要です。
売却の面では、大手不動産会社は国内外での広告や販売網を活用し、広範な範囲に情報を発信することが可能です。
それに対して、地元密着型の不動産会社は地域のニーズに特化し、地元の買い手とのつながりや地域特有のマーケティング手法を駆使します。一見、駅から遠かったり、築年数が古かったりする条件の物件でも、人気の学区や子育てに適したエリアであれば、素早く売れることが多いのです。地元密着型の不動産会社は、そのような情報に詳しく、相場感も持っています。
売却を考える際には、物件の特性に合わせて大手不動産会社と地元密着型の不動産会社を比較しましょう。どちらが最適かは物件の条件や地域の需要によって異なるため、査定結果や提案内容を比較して信頼できる不動産会社を選ぶことをおすすめします。
不動産を売却する際には、さまざまな税金や特例が関わってきます。税金の支払いを最小限に抑える方法や特例の活用法を知っておくと、売却時の負担が軽減されます。この記事では、不動産売却に伴う税金や利用できる特例について詳しく解説します。
不動産を売却する時には、さまざまな税金がかかります。詳しくみてみましょう
| 取引金額 | 不動産売買契約書 |
| 1万円未満のもの | 非課税 |
| 1万円以上10万円以下 | 200円 |
| 10万円超50万円以下 | 200円 |
| 50万円超100万円以下 | 500円 |
| 100万円超200万円以下 | 1,000円 |
| 200万円超300万円以下 | 1,000円 |
| 300万円超500万円以下 | 1,000円 |
| 500万円超1,000万円以下 | 5,000円 |
| 1000万円超5,000万円以下 | 10,000円 |
| 5,000万円超1億円以下 | 30,000円 |
| 1億円超5億円以下 | 60,000円 |
| 5億円超10億円以下 | 160,000円 |
| 10億超50億円以下 | 320,000円 |
| 50億円超 | 480,000円 |
| 記載金額なし | 200円 |
2. 仲介手数料の消費税
仲介手数料は、売買価格に応じた料率が宅地建物取引業法で定められており、売買契約成立時には売買価格の3%に加えて6万円、そして消費税がかかります。
支払うタイミングは、売買契約成立時に50%、残りの50%は引き渡し完了時に支払われます。
仲介手数料は宅地建物取引業法で以下のように上限が定められています。
| 売買価格(税込) | 料率(税抜) |
| 200万円以下の部分 | 5% |
| 200万円超400万円以下の部分 | 4% |
| 400万円超 | 3% |
たとえば、不動産の売買価格が400万円を超える場合は、上限料率が3%となりますので、計算式は「仲介手数料=売買価格×3%+6万円+消費税」となります。
4. 譲渡所得税
不動産を売却する際には、売却益に譲渡所得税がかかります。売却益が発生していた場合は確定申告を行い、納税をしましょう。計算方法は次項で詳しく解説します。
譲渡所得は、売却時の価格ではなく、取得費用と売却費用を売却金額から差し引いて算出されます。この章では、譲渡所得税の計算方法を解説します。
建物取得費 = 建物の購入価額 – 減価償却費相当額
減価償却費は以下の式で計算されます。
建物の購入価額 × 0.9 × 償却率 × 経過年数
建物の償却率は、建物の構造によって異なります。木造の場合は0.031、鉄筋・鉄骨コンクリート造の場合は0.015が一般的です。
なお、購入価格が不明な場合は、売却価格の5%を概算取得費として申告します。たとえば、2,000万円で家を売却した場合、概算取得費は100万円となります。
| 売却益(譲渡所得)= 売却価格 売却価格から以下の3つの費用を差し引く ① 物件の購入価格から減価償却費※を引いた価格(購入したときの価格) ② 購入したときの費用(取得費) ③ 売却したときの費用(譲渡費) |
| 不動産を所有していた期間 | |||
| 区分 | 短期 | 長期 | |
| 期間 | 5年以下 | 5年超 | 10年超所有軽減税率の特例 |
| 居住用 | 39.63% 所得税30.63% 住民税 9% | 20.315% 所得税5.315% 住民税 5% | ①課税譲渡所得6,000万円以下の部分14.21%(所得税10.21%・住民税4%) ②課税譲渡所得6,000万円超の部分20.315%(所得税15.315%・住民税5%) |
| 非居住用 | 39.63% 所得税30.63% 住民税 9% | 20.315% 所得税15.315% 住民税 5% | |
次に、譲渡所得で利用できる特例をいくつかご紹介します。
2. 所有期間10年超の物件に対する軽減税率の特例
この特例は、自らの居住用のマイホームを売却した際に適用され、一定の要件を満たすことで長期譲渡所得税の税率を軽減するものです。
特例を受けるための基本的な要件は、売却物件が自分の居住用財産であり、売却した年の1月1日時点で所有期間が10年を超えていることです。
通常、長期譲渡所得に対する税率は20.315%ですが、この特例を利用すると、課税譲渡所得の最初の6,000万円までが14.21%まで軽減されます。ただし、6,000万円を超える部分については通常の税率が適用されます。
詳細は以下のとおりです。
| 譲渡所得 | 所得税 | 住民税 | 合 計 |
課税譲渡所得が 6,000万円以下 | 10.21% | 4% | 14.21% |
| 譲渡所得 | 所得税 | 住民税 | 合 計 |
課税譲渡所得が 6,000万円超(6,000万円以下の部分) | 10.21% | 4% | 14.21% |
課税譲渡所得が 6,000万円超(6,000万円超の部分) | 15.315% | 5% | 20.315% |
なお、この特例は「3,000万円の特別控除の特例」と併用可能です。
詳しくは国税庁のホームページをご覧ください。
No.3305 マイホームを売ったときの軽減税率の特例
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3305.htm
不動産を売却して譲渡所得が生じた場合、確定申告が必要になります。
確定申告の計算期間は1月1日から12月31日までの1年間です。必要な書類を用意して、2月15日から3月15日の間に提出しましょう。
◎確定申告の手順
1.課税譲渡所得を計算する。
2.必要書類を準備する。
3.確定申告書を作成する。
4.税務署に訪問するか、電子申告で手続きを行う。
5.納税か還付を受ける
申告書を提出した後は、還付を受けるか、納税します。還付を受ける場合は、申告書に記入した金融機関の口座に振り込まれます。
◎納税の方法
・振替納税を利用する
・現金で納付する
・国税電子申告・納税システム(e-Tax)で納付する
・クレジットカードで納付する
◎確定申告に必要な書類
・譲渡所得の内訳書…不動産の概要や売却金額、費用などを記載した書類。税務署から送付されるので、記入して提出します。
・譲渡時の書類…売買契約書や売買代金受領書、固定資産税精算書、仲介手数料の領収書などのコピー。
・取得時の資料…不動産を取得した際の売買契約書や固定資産税精算書、仲介手数料の領収書などのコピー。
・売却した不動産の全部事項証明書…法務局で入手できます。特例の申告では原本の提出は必要ありません。
不動産売却にはさまざまな税金がかかりますが、売利益が発生した場合は確定申告を行い、納税をしましょう。節税については、譲渡所得で利用できる特例を活用することで負担を軽減できます。不動産売却を検討している方は、この特例を上手に活用して節税のポイントを押さえることが重要です。
空き家が過去最多の900万戸になった現在、所有している空き家を売るべきか、それとも貸すべきか。この決断には慎重な考慮が必要です。賃貸需要や将来の売却計画、賃貸経営のリスクや労力、そして市場動向などを考慮して、最適な選択を見極める必要があります。今回は、空き家オーナーが迫られるこの決断について、具体的な判断ポイントを探ります。
全国で空き家が増加しています。総務省が30日に発表した資料によると、総住宅数のうち空き家は900万戸。2018年の849万戸と比べ、51万戸の増加となり、過去最多です。
また、総住宅数に占める「空き家の割合(空き家率)」は13.8%と、18年(13.6%)から0.2ポイント上昇し、過去最高になりました。
総務省によると、空き家数の推移は「これまで一貫して増加が続いており、1993年から2023年までの30年間で約2倍となっています」。空き家数のうち「賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家」は385万戸で、18年(349万戸)と比べて37万戸の増加となっており、総住宅数に占める割合は5.9%でした。
空き家が増えた原因は複数あります。日本全体での人口減少や都市への人口集中が主な要因です。地方では高齢化や少子化により住民が減少し、相続問題や建物の老朽化も空き家問題に拍車をかけています。また、都市計画の変更や再開発が進む中で、古い建物や土地が活用されずに残り、空き家となることもあります。これらの要因が複合的に作用し、空き家問題が拡大しています。
令和5年12月13日に、空家対策特措法の一部を改正する法律(令和5年法律第50号)が施行されました。
詳しくは国土交通省の『空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律(令和5年法律第50号)について』をご確認ください。
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000138.html
今回の改正では、平成27年に導入された空家法を更に強化する方針が取られました。これまでの法律では、放置された空き家が「特定空き家」として指定され、行政による指導や勧告、必要なら強制執行が可能でしたが、対応は問題の深刻な場合に限られていました。
しかし、空き家の増加に対しては対処療法的な限界があったため、予防的な措置を講じるべきとの考えから、管理不全空き家」も指導・勧告の対象になりました。
この管理不全空き家とは、1年以上誰も住んでおらず、かつ管理が不十分な家のことを指し、今後もそのままの状態で放置されると特定空き家に指定される可能性がある空き家を指します。
空き家が建つ市区町村から「特定空き家」または「管理不全空き家」としての指導を受け、それに従わずに勧告を受けると固定資産税等の軽減措置(住宅用地特例)が受けられなくなります。
今回の改正で特に注目されるのは、「管理不全空き家」という所有者責務の強化をされたことです。これにより、行政は改善の指導や勧告を行うだけでなく、固定資産税の住宅用地に対する特例措置の解除も可能になりました。
改正前は、居住用の建物があれば固定資産税の減額措置を受けることができたため、解体せずに放置される空き家が多かったですが、今後は管理が行き届かない場合、「管理不全空き家」に認定され、税制面でも不利な扱いを受ける可能性が高まります。
今後も空き家問題に対する取り組みは強化される見通しです。所有者は適切な管理や売却など、空き家に関する戦略を真剣に考える必要があります。
住んでいなくても、家を所有しているだけで固定資産税がかかります。この章では、空き家にかかる固定資産税について解説します。
固定資産税の納税額は『固定資産税評価額 × 1.4%(標準税率)』で計算できます。評価額は3年ごとに見直され、所有者はその評価額に対応する税金を支払います。
具体的な税額の計算方法は、不動産の種類に応じて異なります。
固定資産税=課税標準額(固定資産評価額)×税率(1.4%)
土地…課税標準額×税率1.4%
家屋…課税台帳に登録されている価格×税率1.4%
償却資産…課税標準額×税率1.4%
参考:神奈川県ホームページ(固定資産税)
https://www.pref.kanagawa.jp/zei/kenzei/a001/b012/006.html
2. 「住宅用地の特例措置」が適用されると土地の税率が軽減
空き家でも、「住宅用地の特例措置」が適用されると、土地の一部に税率の軽減が行われます。軽減率は以下のとおりです。
小規模住宅用地(200㎡以下の部分) 固定資産税が1/6
一般住宅用地(200㎡超の部分) 固定資産税が1/3
この特例措置により、所有者は固定資産税の支払いを軽減できますが、条件として住宅が建っていることが条件となります。
3. 「特定空き家」「管理不全空き家」は固定資産税が高くなる
先に説明した住宅用地の特例措置は、「特定空き家」に指定されると利用できません。
また、先述したとおり、空き家対策特別措置法の改正により、新たに「管理不全空き家」も指導・勧告の対象になりました。空き家が建つ市区町村から「特定空き家」または「管理不全空き家」としての指導を受け、それに従わずに勧告を受けると固定資産税等の軽減措置(住宅用地特例)が受けられなくなります。
軽減税率の適用が外されると、1.4%の税率でそのまま課税されます。更地に戻した場合も特例の対象外となります。特例による軽減税率は最大で1/6なので、更地に戻すと固定資産税が最大6倍に増加します。
空き家を売るか貸すか迷われている方もいらっしゃるかと思います。そこで、この章からはそれぞれのメリットデメリットを挙げていきます。
【空き家を売るメリット】
メリット①:売却したら現金化できる
空き家を売却すれば、その資産を現金化することができます。手元に現金が入ることで、将来の投資や生活費に活用できます。
メリット②:空き家の維持や管理から解放される
空き家を売却すれば、その維持や管理から解放されます。管理やメンテナンスにかかる手間や費用がなくなり、ストレスフリーな生活を送ることができます。
デメリット:資産がなくなる
空き家を売却すれば、その資産が失われます。将来的な資金不足や突発的な支出に備えて、資産を保持したい場合は慎重に考える必要があります。
空き家を貸すメリットは以下のとおりです。
【空き家を貸すメリット】
メリット①:家賃収入を得られる
空き家を貸し出すことで、家賃収入を得ることができます。定期的な収入源となり、経済的な安定感を得ることができます。
メリット②:家の劣化を防げる
定期的な入居者がいることで、家の劣化や荒廃を防ぐことができます。空き家リスクを低減し、不動産の価値を維持することができます。
デメリット①:空き室リスクがある
長期間入居者がいない場合、空き室リスクが発生します。家賃収入が途絶えることで収入の不安定性が生じる可能性があります。
デメリット②:将来売りたいときに難易度が上がる
将来的に売却したい場合、入居者がいる状態での売却は難しくなります。また、入居者との契約解除などの手続きが必要となります。
デメリット③:毎年確定申告が必要
家賃収入がある場合、毎年の確定申告が必要となります。手続きの煩雑さや税金の支払いに対する負担が生じる可能性があります。
空き家を貸すメリットは以下のとおりです。
空き家を放置していてもひとつもメリットはありません。売るか貸すか早めに選択をしないと損をするばかりです。前章では売る場合と貸す場合のメリットデメリットを解説しましたが、この章では、空き家を売るか貸すか、判断する際のポイントを解説します。
賃貸物件としての需要があるかどうかが重要です。周辺の住宅環境やアクセスの便が良い場合、賃貸需要が高い可能性があります。地域の賃貸市場を調査し、需要の有無を確認しましょう。また、空き家が古くて劣化している場合、貸す前に修繕やリノベーションが必要かもしれません。その場合、費用と時間がかかりますが、需要が高ければ費用対効果が期待できます。
賃貸物件としての需要があるかどうかが重要です。周辺の住宅環境やアクセスの便が良い場合、賃貸需要が高い可能性があります。地域の賃貸市場を調査し、需要の有無を確認しましょう。また、空き家が古くて劣化している場合、貸す前に修繕やリノベーションが必要かもしれません。その場合、費用と時間がかかりますが、需要が高ければ費用対効果が期待できます。
空き家を売るか貸すか悩む際に、将来空き家に戻る可能性が重要な指標となります。不動産は一度売却すると同じものを再度手に入れるのは難しい場合がほとんどです。数年後や十数年後に再び空き家で暮らしたい、あるいは建て替えて移住したいと考えているのであれば、不動産を売却せずに賃貸に出して維持することが賢明です。
空き家を貸し出すと家賃収入は得られますが、空き室リスクもありますし、そもそも賃貸としての需要があるか(賃貸向きの物件であるか)も重要なポイントとなります。
また、「一生賃貸経営をするつもりはない、いずれ空き家を売却したい」と考えている場合、賃貸として運用する期間が長くなるほど売却が難しくなる可能性があります。不動産の価値は築年数とともに下がっていく傾向がありますので、将来の売却計画も考慮に入れておくことが重要です。
ミツバハウジングでは空き家売却のご相談も承っております。電話でもメールでも構いません。何でもご相談ください
離婚が決まると、夫婦の共有財産の分与が必要になります。その中でも不動産(家)の分割は、特に慎重に進めるべき重要な問題です。この記事では、離婚時における家の売却メリットや最適なタイミング、また売却をする時の手順について詳しく解説します。
離婚において家を売却するメリットはいくつかあります。
1. 財産を公平に分配しやすくなる
離婚において家を売却するメリットのひとつは、財産を公平に分配しやすくなることです。
家を売却することで、売却代金が現金化され、これを元に財産を分割することが可能となります。この方法を選ぶことで、どちらの配偶者も公平なシェアを受け取ることができ、財産分与の際に争いや不公平感を減らすことができます。
2. 売却したお金は財産分与の対象になる
夫婦の共有財産を離婚時に均等に分割することを「清算的財産分与」といいます。売却しなければ家の分割はできないですが、売却し現金化することで、財産分与の対象として資産を均等に分けることが可能になります。
3. 売却で得たお金を住宅ローンの返済に充てられる
アンダーローン(売却金額が住宅ローンの残債よりも多い状態)であれば、売却したお金で一括返済できるため、売却ができます。離婚前に自宅を売却し、その売却代金で住宅ローンを完済すれば、ローンの名義や連帯保証契約について悩む必要もありません。そのため、売却益を夫婦双方で分け合うだけで財産分与が行え、手続きもスムーズに進むでしょう。
家を売却するタイミングは離婚後が望ましいです。離婚前に不動産を売却し、その売却益を分け合う場合、贈与と見なされ、財産を受け取る側に贈与税がかかるリスクがあるからです。片方の名義のみで家を売却し、売却益を分配する際、贈与を受けたと解釈される可能性もあります。
離婚後に家を売却するメリットとして、売却活動に専念できるという点も挙げられます。すべての離婚手続きが終了し、新しい生活に向けての準備が整った状態で、売却活動に取り組めます。
一方で、売却が複数年にわたる場合、固定資産税の支払い義務が元所有者に発生するデメリットもあります。また、売却活動中は相手との連絡が必要となり、ストレスを感じることもあるでしょう。
一般的には、離婚後に不動産を売却することが多くのメリットをもたらすとされていますが、個々の状況や優先事項によって異なるため、慎重な検討と計画が必要です。
財産分与は、一般的に以下の流れで進めていきます。
1. 住宅ローンの残債、名義人、連帯保証人を確認する
離婚で家を売却する際の手順として、最初に行うべきことは、住宅ローンの残債、名義人、連帯保証人の確認です。
・住宅ローンの残債を確認する
まず、住宅ローンの残債を確認します。ローンの残り金額が家の現在の市場価格とどの程度一致しているかを把握することが重要です。住宅ローンの残債によっては、不動産を売却できない可能性もあります。金融機関に頼めば、住宅ローン残高の残高証明書を発行してくれますので、必ず調べておきましょう。
・名義人の確認をする
次に、家の名義人が誰であるかを確認します。夫婦のどちらか一方、または両方が名義人であるかに応じて、売却手続きの進め方が異なる場合があります。名義人の確認には以下の書類を使用します。
登記簿謄本…郵便やオンライン申請、窓口を通して誰でも法務局から取得できます。手数料は、郵便や窓口での取得時に600円、オンライン申請して窓口で受け取る場合は480円、郵送で受け取る場合は500円かかります。
不動産売買契約書…売買契約を結ぶ際に名義人が記名・押印した書類。通常、契約書は2通用意され、そのうちの1通は名義人が保管しています。
・連帯保証人の確認をする
住宅ローンに連帯保証人がいる場合、その保証人も関与しているため、売却に際して連帯保証人の同意や関与が必要になることがあります。
2. 家の価値を調べる
家がいくらで売れるのか調べます。家の価値を調べる方法はいくつかありますが、一番おすすめなのは、不動産会社に価値査定書の作成を依頼することです。この「無料査定」とも呼ばれる方法は、宅地建物取引業法に基づいて不動産の価値が算出されます。
鑑定会社に依頼すると数十万円の費用がかかりますが、不動産会社に依頼する場合、査定は無料です。その上、売却の仲介もそのまま依頼できるため、効率的に手続きが進められます。
3. アンダーローンかオーバーローンかを調べる
アンダーローン(売却金額が住宅ローンの残債を上回る状態)であれば、売却収益でローンを一括返済できるため、不動産の売却がスムーズに進みます。
一方、オーバーローン(売却価格が住宅ローンの残債を下回る状態)の場合、不動産を売却してもローンの残額が残ってしまいます。そのため、不足分のお金を自己資金で補わなければなりません。
住宅ローンの残債を一括返済できない場合、金融機関は抵当権を解除しません。抵当権が設定されたままの不動産を売買することは法律違反ではありませんが、抵当権付きの物件を買いたい人はほとんどいないでしょう。
したがって、住宅ローンの残債がある場合は、「アンダーローンである」または「完済するための自己資金がある」以外は、不動産の売却が難しいと言えます。
4. 財産分与の方法を決定し、公正証書を作成する
住宅ローンや名義の確認、家の価値を把握したら、不動産の分与方法を夫婦間で話し合います。
家を財産分与する方法は、以下の2つです。
1.売却して現金化し、分け合う
2.夫婦どちらかが家に住み続け、他方はその価値の半分を現金で受け取る
最終的には、夫婦間で合意した分与方法を公正証書として作成します。合意した分与方法は、公正証書としてまとめると安心です。公正証書とは、公証人が公的な権限で作成する公文書のこと。これにより、後々のトラブルを防ぐことができます。
ただし、公正証書の作成には財産分与の金額に応じた手数料がかかります。日本公証人連合会が公表している費用は以下のとおりです。
財産分与の金額 | 公正証書の作成手数料 |
100万円以下 | 5,000円 |
100万円~200万円 | 7,000円 |
200~500万円 | 11,000円 |
500~1,000万円 | 17,000円 |
1,000万~3,000万円 | 23,000円 |
出典:日本公証人連合会(12 手数料)
https://www.koshonin.gr.jp/notary/ow12
コストはかかりますが、公正証書を作成することで、後からの問題を未然に防ぐことができます。
離婚で家を売る際には、主に2つの方法があります。それは、仲介による売却と買取です。どちらの方法が最適かは、状況や優先事項によって異なります。迅速な売却を求める場合は買取が向いていますが、少しでも高値で売却したい場合は仲介による売却がおすすめです。それぞれのメリット・デメリットを考慮し、最適な方法を選んでください。
1.仲介
不動産会社が仲介に入って、家を売却します。
・仲介のメリット
市場価格に近い価格で売却できる可能性が高いです。より多くの買い手にアプローチでき、競争が生まれるため、高値で売却できるかもしれません。
・仲介のデメリット
売却までの時間がかかる場合があります。価格交渉や購入希望者とのやり取りも必要です。また、不動産会社への仲介手数料がかかることも考慮しなければなりません。
仲介を選択する場合、不動産会社と結ぶ媒介契約の種類についても知っておく必要があります。媒介契約には「専任媒介」「一般媒介」「専属専任媒介」の3つがあり、それぞれに特徴があります。
一般媒介 | 専任媒介 | 専属専任媒介 | |
依頼できる社数 | 複数可 | 1社のみ | 1社のみ |
自分で買主を見つける | 〇 | 〇 | × |
契約期間 | 自由 | 3ヶ月 | 3ヶ月 |
業務報告 | 売主から求められたら報告 | 2週間に1回以上 | 1週間に1回以上 |
一般媒介契約では、複数の不動産会社と契約できるため、営業活動の範囲を広げることができるというメリットがあります。間口を広げればそれだけ売却のチャンスが巡ってきそうですが、現実的には2、3社と契約するのが限度でしょう。
不動産会社が売主に対して行う業務報告も「2週間に1回以上」といった明確なルールはなく、売主から求められない限りは報告をする義務はありません。3つの媒介契約の中では一番縛りが弱めですね。
次に縛りが強いのは専任媒介契約と専属専任媒介です。1社としか媒介契約を結べないため、物件の囲い込み(他社に物件を紹介しないこと)が起こりやすい点や、販売戦略がない会社にあたってしまうと物件が売れにくいというリスクがあります。
しかし、専任媒介契約と一般媒介契約では、営業マンのモチベーションが異なるというのが実際のところです。一般媒介は、『営業活動を頑張っても他社で契約してしまうかも(つまり仲介手数料がもらえない)⇒積極的な営業活動を行わない』という不動産屋も少なくありません。
どの媒介契約がベストなのかは一概には言えませんが、それぞれの特徴をしっかりと理解して検討することをおすすめします。
2. 買取
不動産会社が直接家を買い取る方法です。仲介よりも価格は安くなりますが、売却までお急ぎの方には向いています。
・買取のメリット
迅速に売却できるのが最大のメリットです。売却にかかる手間や時間を省くことができます。
・買取のデメリット
市場価格よりも低い価格での売却になることが一般的です。すぐに売却できる分、利益は少なくなります。
離婚に伴う財産分与の中でも、高額な不動産は特に慎重に扱わなければなりません。売却して現金化しない限り、不動産を「半分に分け合う」という方法は取れません。そのため、売却するか、どちらかが住み続けるか、名義をどうするかなど、お互いが納得できる形でしっかりと話し合いを進めましょう。
ミツバハウジングでは、離婚による売却や住み替えのご相談を随時承っております。住宅ローンの残債があって売却できるか不安という方もぜひ一度ご相談ください。
住宅メーカーや不動産会社などの事業者が住宅を買い取った後にリフォームまたはリノベーションを行い、中古物件として販売する住宅のことを「買取再販住宅」といいます。中古住宅と買取再販住宅、どちらがよいのか迷われている方もいらっしゃるかもしれません。
そこで今回の記事では、買取再販住宅と中古住宅の違いや買取再販住宅のメリットデメリットについて詳しく解説します。
買取再販住宅とは、住宅メーカーや不動産会社が住宅を買い取り、その後リフォームやリノベーションを施し、中古物件として再販することを指します。不動産業者が直接売主となるため、仲介手数料が発生しない点も特徴です。
中古住宅との違いは以下のようになります。
| 買取再販住宅 | 中古住宅 |
販売主体 | 住宅メーカーや不動産会社などの事業者が、住宅を買い取り、リフォームやリノベーションを行い、中古物件として販売します。 | 一般の個人が所有していた住宅であり、再販のために売り出されます。
|
改修やリノベーション | 買い取った後にリフォームやリノベーションが行われ、その費用は物件価格に含まれています。 | 改修やリノベーションの有無は、売主や物件によって異なります。必要な場合は購入者が負担することになります。 |
物件価格 | フォームやリノベーション費用を考慮しても、比較的安価に提供される傾向があります。 | 買取再販住宅よりも価格が幅広く、物件の状態やエリアによって大きく異なります。 |
仲介手数料 | 販売主体は不動産会社が直接売主となるため、仲介手数料は発生しません。 | 仲介業者が売買契約の仲介を行うため、仲介手数料が発生します。 |
保証 | 買取後の改修やリノベーションに関する一定期間の保証が提供されることがあります。 | 個人間の売買のため、保証が提供されることは一般的ではありません。 |
日本の空き家問題が深刻化する中、買取再販住宅は住宅市場の活性化に一役買っています。大手企業もこの分野に積極的に参入し、その中でも無印良品が展開する「MUJI× UR」は、無印良品とUR(都市再生機構)が連携した団地リノベーションプロジェクトとして注目を集めています。
大手企業も買取再販市場に参入する中、株式会社矢野経済研究所によると、今後も市場は拡大基調で推移し、2030年には2022年比で22.0%増の5万戸になると予測されています。
“不動産会社等が一旦購入し、リフォーム・リノベーションした後に販売する中古住宅買取再販は年々拡大しており、2022年の中古住宅買取再販市場規模(中古戸建及び中古マンションの買取再販戸数の合計)は成約戸数ベースで前年比5.1%増の41,000戸と推計した。市場拡大の主な要因は、中古住宅の需要増である。特に、新築分譲マンションの価格は高騰・高止まりしており、新築と比較して相対的に割安な中古住宅の需要が増えている。なかでも、買取再販物件は、リフォーム・リノベーションが施され、新築同様に入居できるため、人気を博している。”
引用元:株式会社矢野経済研究所
古い住宅は時間とともに性能が低下し、老朽化が進む傾向にあります。そのため価格は比較的低めに抑えられますが、個人が購入する際にはリノベーションに関する判断や費用の見積もりが難しいという問題があります。
その問題をクリアしているのが買取再販住宅です。不動産会社などの事業者が提供する買取再販住宅は、豊富な経験に基づき、迅速かつ的確な判断が可能です。また、リノベーションに際しては市場の需要に合わせた間取りや設備仕様を取り入れることが一般的です。
一部の買取再販住宅は有名ブランドとのコラボレーションやデザイン性の高いリノベーションが施されています。ブランドのイメージや価値を反映したデザインや機能性が高く評価され、購入者の興味を引きつけます。このようなプロダクトに対するブランドの信頼や期待感が、需要の増加に寄与しているのでしょう。
また、仲介手数料が発生しない点や即入居可能な点も、買取再販住宅の魅力です。購入者にとっては手軽で明確な費用で新築並みのリノベーションが施された住宅が手に入るので需要が高まるのも納得ですね。
買取再販住宅のメリットデメリットをみてみましょう。
1. 買取再販住宅のメリット
買取再販住宅のメリットは多岐にわたりますが、以下に挙げることができます。
・新築並みのリノベーション済住宅に住める
買取再販住宅は、不動産会社や住宅メーカーなどの事業者が所有し、リフォームやリノベーションを施した物件が多いため、新築に近い状態で購入できます。
・即入居可能
リノベーションが完了した買取再販住宅は、すぐに入居することができます。新築や中古住宅の場合と比較して、引っ越しの手続きや待ち時間が短縮されます。
・価格が安い
通常、買取再販住宅の価格はリノベーションやリフォームを含めた総額で提示されます。そのため、購入者は費用の見積もりや追加費用の心配をする必要がありません。価格の透明性が高く、価格も比較的安く提供されているため、購入時の負担が軽減されます。
・仲介手数料がかからない
買取再販住宅の場合、売主が不動産会社や住宅メーカーであるため、仲介手数料が発生しません。
・選択肢が豊富
買取再販住宅にはさまざまなタイプやデザインの物件があります。また、有名ブランドとのコラボレーションやデザイン性の高いリノベーションが施された物件も存在します。自分の好みやニーズに合った物件を選ぶことができます。
・アフターサービスの利用がスムーズ
通常の中古住宅の売買では、契約不適合責任があるものの、それ以上のアフターサービスや保証がないことが一般的です。また、前の所有者にアフターサービスを求めることは難しいこともあります。一方、不動産会社が売主となる買取再販住宅では、買主は相談しやすい状況にあり、アフターサービスや保証を提供しているケースも多く見られます。(ただし、不動産会社ごとにアフターサービスや保証内容が異なるため、取引を検討している会社が提供するサービスを確認することが重要です)
・住宅ローン控除の適用期間が長い
詳しくは後述しますが、買取再販住宅は一般の中古住宅よりも住宅ローン控除の適用期間が長いというメリットもあります。買取再販物件は新築住宅と同様に住宅ローン控除の適用期間が13年となり、一般の中古住宅(適用期間10年)よりも適用期間が長めです。
2. 買取再販住宅のデメリットと注意点
買取再販住宅にはいくつかのデメリットや注意点があります。
・リノベーションの質にばらつきがある
買取再販住宅のリノベーションの質にはばらつきがあります。一部の物件では、安易なリノベーションや品質の低い材料が使用されている場合があるので注意しましょう。
・訳あり物件の可能性がある
過去に事件や事故が発生した経緯のある事故物件は、買い手がつきにくく価格が下がる傾向があります。不動産会社が事故物件を安価に仕入れ、リノベーションを施した後に買取再販住宅として販売するケースもあります。相場よりも過度に安い価格には注意が必要です。
・物件の不具合を見極めることが難しい
不動産会社によっては設計のプランニングは自社で行っても、施工は別業者に委託することもあります。その場合、最終的な仕上がりについて確認が不十分なことがあります。不安な場合は、ホームインスペクション(住宅診断)を利用するか、アフターサービスの保証を提供している業者を選ぶことが良いでしょう。
これらのデメリットや注意点を考慮しながら、買取再販住宅を検討することが賢明です。
住宅ローン控除は、住宅ローンを利用して特定の住宅を購入、またはリフォームを行った場合に享受できる税制上の優遇制度です。年末時点での住宅ローン残高の0.7%に相当する額が一定期間内に所得税から控除されます。この控除が所得税で賄いきれない場合は、一部が住民税から控除されます。
住宅の種類 | 2023年入居 | 2024年入居 | 2025年入居 | |
新築住宅・買取再販 | 長期優良住宅・低炭素住宅 | 5,000万円 | 4,500万円 (子育て世帯・若者夫婦世帯向け5,000万円) | 2024年と同じ内容で検討中 |
ZEH水準省エネ住宅 | 4,500万円 | 3,500万円 (子育て世帯・若者夫婦世帯向け4,500万円) | 2024年と同じ内容で検討中 | |
省エネ基準適合住宅 | 4,000万円 | 3,000万円 (子育て世帯・若者夫婦世帯向け4,000万円) | 2024年と同じ内容で検討中 | |
その他の住宅 (既存住宅「その他の住宅」の場合) | 3,000万円 | 0円 (2023年迄に新築の建築確認は2000万円) | 2024年と同じ内容で検討中 | |
既存住宅 | 長期優良住宅・低炭素住宅・ZEH水準省エネ住宅・省エネ基準適合住宅 | 3,000万 | 3,000万 | 3,000万 |
その他の住宅 | 2,000万 | 2,000万 | 2,000万 | |
控除期間 | 新築住宅・買取再販 | 13年 (「その他の住宅」は、2024年以降の入居の場合10年) | 13年 (「その他の住宅」は、2024年以降の入居の場合10年) | 13年 (「その他の住宅」は、2024年以降の入居の場合10年) |
既存住宅 | 10年 | 10年 | 10年 |
※2024年3月現在の法令に基づいて作成
買取再販住宅と通常の中古住宅では、住宅ローン控除の条件に違いがあります。たとえば、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)省エネ住宅を購入し、令和4年から居住を始めた場合、買取再販住宅では借入限度額が4,500万円(子育て世帯や若者夫婦世帯の場合は5,000万円)となりますが、一般の中古住宅では3,000万円となります。また、控除期間にも3年の差があります。
これらの条件の違いから、買取再販住宅と通常の中古住宅での住宅ローン控除の適用が異なることがわかります。
買取再販住宅は新築さながらの見た目と内装であるにもかかわらず、新築住宅に比べて安価である場合が多く、昨今の住宅市場において人気となっています。
買取再販住宅を検討する際には、記事内で解説したメリットやデメリット、注意点をしっかりと把握することが重要です。その上で、中古住宅の購入後にリフォームするなどの他の販売形態と比較し、自身のニーズや予算に合った住宅を選ぶことをおすすめします。
| 仲介 | 任意売却 | 競売 | |
| 売主 | 不動産の所有者 | 不動産の所有者 | 裁判所 |
| 返済状況 | 返済の遅延がない | 返済が遅延しており、または今後の返済が難しいと判断されている | 返済遅延後、督促の期間内に返済できなかった |
| 利用できる条件 | 売却したお金で残債を一括返済できる | 債権者の承認が必要。任意売却が開始されたら、債務者の意思だけでは取り消せない | 債権者が競売を申し立て、裁判所が承認した場合。債務者が競売を取り消すことはできない |
| 売却価格 | 市場価格と同程度 | 市場価格の8~9割 | 市場価格の5~7割 |
| 価格決定権 | 不動産の所有者 | 金融機関と協議 | 裁判所 |
| 仲介手数料 | あり | あり | なし |
次に、任意売却のメリットを解説します。
1.競売よりも高く売れる
競売で不動産を売却する場合、通常の市場相場よりも大幅に低い価格になることが一般的です。一般的には、市場価格の5割から7割程度になることが多いです。
この価格の低さは、いくつかの理由によるものです。まず、買主が物件を購入する前に内覧することが難しい場合があります。また、競売物件の情報が公開されてから入札が開始されるまでの時間が短いため、買主が情報を入手し、準備を整える時間が限られています。さらに、現所有者が立ち退きを拒否する場合、買主は自ら交渉しなければならないこともあります。
このような理由から、競売では物件が安い価格で売却される傾向があります。一方、任意売却では通常の不動産の売買と同様に、不動産会社の仲介を通じて物件が売却されます。そのため、市場相場と同等の価格で売却されることが一般的です。
2.住宅ローンの残債を分割返済できる
通常の売却では、住宅ローンの残債を一括返済しなければ、金融機関は抵当権を解除してくれません。しかし、金融機関は任意売却を行う人に対して、一括返済を求めることは無謀というのも理解しています。
そのため、返済が滞る状況を防ぐために、金融機関は返済額を適切に設定し、分割返済を可能にすることもあります。
ただし、滞納が続いた場合、金融機関は「住宅ローンを返済する意思がない」と判断し、一括返済を求めることがあります。督促の連絡が何度も無視されたり、対応されなかったりした場合、競売の対象となる可能性があることに注意が必要です。
3.売却費用を抑えられる可能性がある
任意売却では、債権者の同意を得て、売却代金の一部を経費や清算費用に充てることができる場合があります。
物件の任意売却を検討する人々は、通常現金が十分でないことが多いです。引っ越し費用や税金の支払いなど、必要な支出をまかなえないこともよくあります。任意売却では、債権者の同意を得て、売却代金の一部をこれらの費用に充てることができる場合があります。
一方、競売では売却代金は裁判所に管理され、全額が債権者に支払われます。引っ越しやその他の必要な出費がある場合、自分で資金を用意する必要があります。
4.引き渡し日を調整できる
競売では、強制退去日が定められ、その日までに物件を退去する必要があります。一方、任意売却では、売主や金融機関との交渉によって、より柔軟な引き渡し日を設定することが可能です。これにより、売主や買主の都合に合わせて引き渡し日を調整することができます。
5.近隣住民に知らずに売却できる
競売では、裁判所の競売情報などを通じて売主の情報が公開されますが、任意売却では不動産会社と相談して広告公開範囲を決定できます。
そのため、売主はプライバシーを守りつつ物件を売却できます。特定の条件下でのみ物件情報を公開することも可能であり、近隣住民に知られずに売却を進めることができます。
続いて、任意売却のデメリットです。
1.ブラックリスト(信用情報)に載る
競売でも同様ですが、任意売却が必要な場合、信用情報機関に事故情報が記載され、いわゆるブラックリスト入りとなります。
個人信用情報に情報が登録されるタイミングは金融機関や信用情報機関によって異なりますが、一般的にはローンを3回滞納したタイミングで登録されます。この情報が登録されると、5年間は新たなローンの借り入れが難しくなります。さらに、クレジットカードの審査にも影響を与え、普段の生活にも支障が出る可能性があります。
ブラックリスト入りすると、数年間は新たな借り入れやクレジットカードの取得が制限されますので、任意売却によって信用情報に傷がつかないという保証はありません。
2.『任意売却=残債がゼロになる』わけではない
任意売却を行った場合でも、すべての残債が消えるわけではありません。売却代金が残債を十分にカバーしない場合、残債が残る可能性があります。そのため、売却後に返済すべき残債が残ることになります。
ただし、任意売却の場合は一括返済だけでなく、分割返済が可能なケースもあります。具体的に返済すべき額は、収入状況などを考慮して金融機関が決定しますが、一般的には月額5,000円から30,000円程度で設定されることが一般的です。
3. 期限内までに売却しなければならない
通常の不動産売却とは異なり、任意売却には売却期限が設定されます。
この期限は、競売手続きと同時に進められます。具体的には、競売の開札期日の前日までに、代金の受け取りと物件の引き渡しが完了する必要があります。買主との交渉も必要なため、スケジュールを十分に確保することが重要です。
4.金融機関の同意を得られないと売却できない
任意売却は、個人の裁量では自由に行うことができません。任意売却の可否は金融機関によって決定され、一度任意売却の手続きを始めると取り消すことはできません。また、場合によっては、購入希望者が現れたのにも関わらず金融機関からの承諾を得られないケースも考えられます。例えば、物件の査定額が残債を極端に下回る場合、返済計画が現実的でなければ任意売却することができない可能性があります。
5.任意売却するには債権者の同意が必要
任意売却を進める際には、連帯保証人や共有名義人の同意が必要になります。
しかし、任意売却を望んでも、名義人の許可を得られない場合もあります。たとえば、離婚後に元夫名義の家に元妻が居続ける場合、元夫が住宅ローンの支払いを滞納し、金融機関からの督促を無視し続ける
ここまで任意売却のメリットデメリットを解説してきましたが、実際に任意売却を検討した方がよいのはどのようなケースなのかみてみましょう
1.金融機関から督促状や催告状が届いた場合
住宅ローンの返済が滞ると、金融機関から督促状や催告状が届くことがあります。この時は任意売却を視野に入れる必要があります。
督促状にある返済期限までに返済が完了した場合は大きな問題はありませんが、今後も遅延が続く可能性がある場合は、住宅ローンを提供している金融機関との返済の相談や、競売になる前に任意売却の準備を始めることが賢明です。
ただし、物件が実際に売れるまでには3ヵ月から6ヵ月かかることが一般的ですので、できるだけ早く行動を開始することが重要です。
2.売却後に残債を一括返済できない場合
売却代金と「自己資金」だけでは一括返済が難しい場合は、通常の売却ではなく任意売却を選択することも一つの手段です。
この「自己資金」には親族からの援助や他の金融機関からの借り入れで得た資金も含まれます。それらの資金があってもなお完済できないというケースです。
不動産会社の査定額から売却にかかる諸経費を差し引き、その金額と自己資金を合わせて残債を完済できるかどうかを検討しましょう。
任意売却できるのは競売の開札日前日までです。競売の開札日は、返済の滞納から数えておよそ8ヵ月後。督促後の任意売却への期間は非常に短いため、迅速な行動が成功の鍵となります。
売却でお悩みの方は、ミツバハウジングまでご相談ください。任意売却、仲介や買取での売却、お客様にとってベストな方法をお探しします。お電話でもメールでも構いません。おひとりで悩まず、まずはお問い合わせください。