不動産査定を依頼したとき、会社によって査定額が異なることがありますが、なぜそうなるのでしょうか。結論から申し上げますと、不動産査定には不動産会社ごとに独自の基準や査定方法があり、営業スタイルも異なるためです。本記事では、不動産会社による査定額の差が生じる理由や不動産の査定額を決める要素、高額査定を鵜呑みにするとどうなるのかについて解説します。
不動産の査定額を考える際には、買取と仲介という異なるアプローチがあることを認識しておく必要があります。
不動産の買取査定額は、不動産会社が「この金額で買います」と提示してくれる価格です。査定額がそのまま売却価格になると考えて問題ありません。
一方、仲介の査定は、「この金額で売り出せば買い手が見つかる」という見積もり金額が提示されます。あくまでも見積もりになるので、実際に査定額で売却できるかは分かりません。
さらに、査定額は不動産会社ごとに独自の基準で算出されます。法的には、不動産会社は査定の根拠を利用者に明示する必要がありますが、具体的な基準については各社の裁量に委ねられています。
前項で解説した査定を出すときの基準を使えば金額は統一できそうなのに、なぜ不動産会社によって査定額がバラバラなのか、不思議ですよね。それは、最初にお伝えしたとおり、不動産会社ごとに独自の基準で査定額を出すからなのです。独自の基準とは具体的にいうと、「査定方法」と「不動産会社の都合」です。1.査定方法(参考にする取引事例)が違う不動産会社は一般的に、公益財団法人である不動産流通推進センターが作成した「価格査定マニュアル」を参考に査定を行います。不動産会社によって独自のマニュアルを使うこともありますが、ほとんどはこの価格査定マニュアルに準拠しています。しかし、同じマニュアルを使っていても、不動産会社ごとに査定額が異なることがほとんど。その理由は、査定方法(参考にする取引事例)が違うからです。
不動産の取引事例は数多く存在し、類似した物件でも様々な事情により取引金額は異なります。そのため、同じ査定方法を使っていても、不動産会社によって参考にする事例が異なると査定価格も異なってしまうことがあります。たとえば、安い価格で取引された物件を参考にして査定された場合、低い査定金額が算出されることがあります。一方で、高い取引価格で取引された物件を参考にすると、高い査定金額が算出されることもあります。
2.不動産会社の都合によって高額査定を出すことがある不動産会社の都合や戦略によっても査定価格に差が生じることがあります。たとえば、インターネットの一括査定などで複数の会社に査定を依頼する場合、自社に売却を任せてもらうために、あえて相場よりも高い査定価格を提示してくる不動産会社も存在します。
また、最初に高めの売却価格を設定し、反響に応じて価格調整を行いながら、できるだけ高い売却価格で成約を目指すという方法を取る会社もありますし、短期間で確実に売れそうな価格に設定する会社もあります。つまり、査定価格は単純に市場相場や物件の特徴に基づいているわけではなく、不動産会社の戦略や利害関係、売却価格を設定する方法が異なるのです。
高額な査定額を受けた場合、以下のような影響が考えられます。1.買い手が見つかりにくくなる市場の実際の相場よりも高い査定額を提示された場合、買い手が見つかりにくくなる可能性が高いです。買い手は類似物件と比較し、妥当な価格を求める傾向があるからです。2.売却までに時間がかかる高額な査定価格に基づいて売却を開始してしまうと、売却までに時間がかかる傾向にあります。買い手を見つけるまでに、長期間の交渉が必要となることもあります。3.値下げ交渉の発生買い手が相場価との差を指摘し、値下げ交渉を求める場合があります。このような交渉が発生すると、本来なら相場に近い価格で売却できたものを、売れ残りとして認識され、売却価格を下げざるを得なくなることがあります。以上のことから、高額な査定を鵜呑みにして売却価格を設定するのは有利とは言えません。売却を円滑に進めるためには、相場に即した適切な査定価格を把握し、買い手が興味を持ちやすい価格帯での売却を目指すことが重要です。
一般的に、大手不動産会社はブランド力や広告宣伝力を持っており、売却をスムーズに進めることが期待されます。しかし、高額な査定額や大手であるからといって、必ずしも早く高額で売却できるわけではありません。不動産を売却する際には、大手不動産会社と地元密着型の不動産会社を比較することが重要です。売却の面では、大手不動産会社は国内外での広告や販売網を活用し、広範な範囲に情報を発信することが可能です。それに対して、地元密着型の不動産会社は地域のニーズに特化し、地元の買い手とのつながりや地域特有のマーケティング手法を駆使します。一見、駅から遠かったり、築年数が古かったりする条件の物件でも、人気の学区や子育てに適したエリアであれば、素早く売れることが多いのです。地元密着型の不動産会社は、そのような情報に詳しく、相場感も持っています。売却を考える際には、物件の特性に合わせて大手不動産会社と地元密着型の不動産会社を比較しましょう。どちらが最適かは物件の条件や地域の需要によって異なるため、査定結果や提案内容を比較して信頼できる不動産会社を選ぶことをおすすめします。
度々話題になるこのテーマ。「賃貸VS持ち家」どちらか論です。
このテーマは散々語り尽くされてきた感もありますが、まだまだ多くの方に興味を持たれている内容です。
巷では持ち家と賃貸の家では1300万円の差が出るといったことも話題になっているようです。
今回のコラムでは、賃貸と持ち家のメリットデメリットや、どちらが金銭的に有利なのかをお話ししたいと思います。
まず、最近話題になっている「賃貸より持ち家のほうが1300万円お得」というお話について。
こちらは物件価格、ローン金利、その他の状況や条件等によって大きく異なってきますので、具体的な差額を算出することはプロであっても意見が様々に分かれるものです。
試しに簡単な試算をしてみます。ここでは持ち家と賃貸、どちらも入居から50年として、生涯的にかかる費用を比較してみましょう。※画像の数字確認
初期費用は賃貸が44万円に対し、持ち家は120万円。しかし、総合的な生涯コストの差は595万円程、賃貸のほうが高いという結果になりました。
今回の試算では、約600万円の差となりましたが、話題になっているように「1300万円の差がでる」とおっしゃる方もいれば、「400万円」や「3000万円以上」差ができると算出される方もいます。
どうしてこのような差がでてくるのでしょうか?
それは前提条件や計算方法に違いがあるからです。
例えば計算において、税金や、修繕費など想定されるあらゆる費用を含めて計算している場合もあれば、ざっくり「ローン返済と家賃」の支払金額だけで比べている場合もあります。
住宅ローンひとつとっても、借入金利についてはローンを組む金融機関や、お借入れになる方の収入などの状況によって異なり、結果的に同じ金額の物件を購入されても最終的にお支払いになる金額は様々となります。
もし持ち家と賃貸物件について金銭的な部分から詳しく比較検討されたいのであれば、ご収入や現在の借入状況などを個別にご相談されることをオススメ致します。【※無料ファイナンシャルプランナー個別相談】
建売住宅やマンションなどの所謂マイホームを購入した場合、どのようなメリットがあるのでしょうか。
持ち家のメリット
・内装や設備などのグレードが賃貸よりも高い・賃貸よりもファミリー層向けの物件が豊富・間取り変更やリフォームが自由にできる・退職までに完済すれば老後の住居費の負担が減る・自分の資産として残せる・団体信用生命保険に加入していれば、万が一のとき、住宅ローンがゼロになる
持ち家の場合、単身向けの物件からファミリー層向けの部屋数が多い物件まで選択肢が豊富です。また、内装や設備、キッチンなどのグレードが賃貸よりも高いことが多く、物件によっては間取り変更なども出来る場合があります。住まいの自由度が高い点と選択肢が多い点が大きなメリットですね。
さらに、退職までに完済すれば老後の住居費の負担が軽くなるだけではなく、資産としても残せます。住宅ローンさえ完済できればあとは毎年固定資産税を払えばよいだけですので、老後の資産計画も立てやすいかと思います。
次に、持ち家のデメリットについて説明します。
持ち家のデメリット
・簡単に住み替えができない・家のメンテナンスに手間とお金がかかる・固定資産税などの税金がかかる
簡単に住み替えができない点は、転勤族や引っ越しが好きな方にとっては大きなデメリットかもしれません。「飽きたから引っ越そう♪」というわけにはいきません。ただ、駅近のマンションなら、売却しやすく貸しやすいのでいざという時には対処法はいくらでもあります。
家のメンテナンスは住み始めてから10~15年前後で必要になります。家は手入れをしないとあっという間に劣化します。特に雨風にさらされている外壁や屋根は劣化が早く、修繕に費用もかさみます。賃貸の場合、修繕や物件の管理はすべて大家さんが行うので、家のメンテナンスを自分でやるなんて面倒!!という方には持ち家は負担かもしれませんね。
続いて、賃貸のメリットをみていきましょう。
持ち家のメリット・住み替えがいつでも気軽にできる・初期費用が持ち家よりもかからない・収入に合わせて住居費(家賃)を調整できる・家のメンテナンスが不要
賃貸の最大のメリットは、何と言っても気軽に住み替えができること。そして、収入に合わせて住居費(家賃)を調整することもできます。持ち家の場合は、ほとんどの方が住宅ローンを組みます。「年収が下がったのでちょっと支払いを少なくしてください」というお願いは通りません。
ただ、次項でも説明しますが、賃貸はいくら家賃を払っても自分の物にはならないので、一生その住まいに住めません。老後はどうやって借りるのか、身元保証人の確保はできるのかなどの不安はあります。
賃貸のデメリットは主に以下のようになります。
賃貸のデメリット・いくら家賃を払っても資産にはならない・老後は賃貸契約を断られる可能性がある・物件の選択肢が持ち家よりも少ない・間取りや設備のグレードが持ち家よりも低い・リフォームなどを自由にできない
少し厳しめの内容になってしまいますが、当社が仲介会社だからではありません。賃貸は気軽さが魅力ではありますが、「安定」「安心」からはやや遠くなってしまいます。一番気になるのは、老後です。一生賃貸で住み続けるとなれば、身元保証人の確保はできるのか、もし大家さんの都合や建物の取壊しなどで急に退去を求められた場合、次の住まいはすぐに見つかるのか、不安は尽きません。
今後高齢化が進み、老人でも借りやすくなるという話も耳にしますが、今のところ何の確証もない話です。現時点では、高齢者はすんなりと賃貸を借りられないことの方が多いですから、一生賃貸派という方は、老後はどうするのかしっかりと考えておかなければなりません。
ここからさらにシビアな話になります。持ち家と賃貸、老後のことまで視野に入れるとしたらどちらがベストなのでしょうか。
1.持ち家と賃貸、生涯コストの差持ち家と賃貸、どちらも入居から50年として、生涯的にかかる費用を比較してみましょう。
賃貸
初期費用
合計
持ち家(マンション)
初期費用は賃貸が44万円に対し、持ち家は120万円。しかし、総合的な生涯コストの差は366万円程、賃貸の方が高いという結果になりました。
賃貸の気軽さから「持ち家はお金がかかる」というイメージをお持ちの方も多いかと思いますが、実は賃貸の方が生涯コストはかかるケースが多いのです。
もちろん、借りる物件、購入する物件によってケースバイケースにはなりますので、生涯コストが安いから持ち家の方が有利だ!とは言い切れません。ただ、一生賃貸派という方は、老後の生活についてよく考えておいていただきたいです。
2.持ち家は、住宅ローン控除で住居費を抑えられる
持ち家は住宅ローンを利用する方がほとんど。条件を満たせば、「住宅ローン控除」で節税対策ができます。住宅ローン控除は、当コラムでも何度もご説明している制度のひとつです。
10 年以上の住宅ローンを利用して住宅購入またはリフォームする人を対象とした優遇制度で、年末時点の住宅ローン残高の1%相当額を所得税から控除します。最大控除額は、1年間で最大40万円、10年間で最大400万円、所得税・住民税から控除されます。(控除しきれなかった分の税金は翌年の住民税から控除されます)
下記は住宅ローン控除を受けるための条件です。
住宅ローン控除の適用条件
住宅ローンの内容
(1) 民間の金融機関や住宅金融支援機構から借り入れた住宅ローンであること
(2) 勤務先から借り入れた住宅ローンの場合は、金利が0.2%以上であること
(3) 親族や知人からの借り入れは対象外
(4) 返済期間が10年以上
住宅ローンを組む人の条件
(1) 住宅ローンを組んで自宅を購入した人
(2) 住宅取得後6ヵ月以内に入居し、控除を受ける年の12月31日まで引き続き入居していること
(3) 控除を受ける年の合計所得金額が3,000万円以下
(4) 入居した年とその前後2年ずつの計5年間に、3,000万円特別控除や買換え特例を受けていないこと
購入する住宅の条件(新築・中古共通)
(1) 自分自身が居住する住宅であること
(2) 住宅取得の日から6ヵ月以内に居住、その年の12月31日まで継続して居住すること
(3) 床面積が50㎡以上であること
(4) 住宅ローンの借入期間が10年以上であること
(5) 適用を受ける年の年収が3,000万円以下であること
中古住宅の場合
築年数が以下の規定の年数以内であること
(1)鉄筋造や鉄骨鉄筋コンクリート造などの耐火建築物…築25年以内であること。
(2)木造などで建てられた非耐火建築物の場合…築20年以内であること。築20年以上の場合は、耐震基準に適合していることを証明する必要があります。耐震基準適合証明書、または耐震等級1以上と認められた既存住宅性能評価書、または、既存住宅売買瑕疵保険への加入が必要です。
ちなみに、住宅ローン控除の適用期間は通常なら10年間ですが、消費税増税や新型コロナウイルス感染症の対応策として、消費税率を10%で住宅を取得し、2021年9月末までに契約、さらに2022年12月末までに入居を開始すると控除期間が13年間に延長されていますが、13年の延長措置に関しては2021年9月末で終了、10月以降については未定となっています。動きがあり次第、当コラムでもお知らせいたします。
自分はどちらが向いているのか、ぜひチェックしてみてください。
持ち家に向いている人・定年退職までに住宅ローンを完済できる人・収入が安定している、今後増える予定の人・ファミリー層向けの物件を探している人・老後も安心して暮らしたい人・DIYが好きな人・テレワークの人 など
賃貸に向いている人・転勤族、引っ越しが好きな人・収入が不安定な人・多忙でほとんど家にいない人・家のメンテナンスが面倒な人・健康状態が思わしくない人(団体信用生命保険に加入できない)・住宅ローンのプレッシャーを背負いたくない人 など
ざっくり挙げると上のようになりますが、あくまでも向き不向きの特徴をピックアップしただけで、絶対ではありません。どちらかというとこっちかも?程度に目安としてお考えください。
コストだけではなく、ライフスタイルのことも考えてどちらが向いているのか考えてみましょう!
ついコストだけで良し悪しを判断しがちですが、ご自身のライフスタイルに合った住まいを選択することが重要です。最近は新型コロナウイルスの影響で、テレワークをする方も増えていますから、年収も安定していて家にいることが多いのならば、持ち家を検討されても良いかもしれませんね。
そして、今回の記事は、賃貸が不利と言いたいわけではありません。持ち家にも賃貸にもメリットデメリットがあります。自分に合うのはどちらなのか?持ち家が欲しい気もするけれど自分に買えるのか?不安な方はぜひ一度ミツバハウジングまでご相談ください。
家を買う際、通勤時間は重要な条件になります。人によって許容範囲は異なりますが、通勤時間に1時間以上かかるのは長いと感じる方も多いかもしれません。
家を探す段階で「1時間くらい大丈夫」と思っても、後から負担になる可能性があります。この記事では、通勤時間が1時間以上かかる家を選ぶ際のメリットとデメリットに焦点を当て、悩んでいる方に参考になる情報を提供します。
5年ごとに行われる総務省統計局の「令和3年社会生活基本調査」によると、神奈川県の通勤時間(平日)が片道で39.5分。日本全国で1位という結果が出ています。
順位
地域
往復の通勤時間
片道の通勤時間
-
日本全国
1時間19分
39.5分
1
神奈川県
1時間40分
50分
2
千葉県
1時間35分
47.5分
3
東京都
4
埼玉県
1時間34分
47分
5
奈良県
1時間28分
44分
6
兵庫県
1時間24分
42分
7
京都府
1時間21分
40.5分
8
茨城県
1時間18分
39分
9
愛知県
10
秋田県
1時間00分
30分
出典:総務省統計局「令和3年社会生活基本調査」都道府県別通勤・通学の行動者平均時間
https://www.stat.go.jp/data/shakai/2021/pdf/gaiyoua.pdf
都内の電車は混んでいるので、東京都の通勤時間がトップにきそうなイメージですが、神奈川県や千葉県の方が都内の通勤地に通っているケースが多いことが予想できます。とは言え、1位の神奈川県と2位・3位の千葉県・東京都との通勤時間に大きな差はありません。最大で50分と考えると、通勤時間に1時間以上かけるのは長いと言えそうですね。
通勤に1時間以上かけると、会社が都内にある場合は郊外に住むことが選択肢となります。しかし、「郊外で1時間以上通勤するメリットってあるの?」と疑問に思う方もいるでしょう。実は、この選択には多くのメリットがあります。
1. 同じ予算でも郊外なら広い家を買える
都内でも一駅違うだけでも価格差が大きいことがあります。都内の人気エリアに建つ家は価格が高騰していて買えないという声もよく耳にします。
郊外の家なら、同じ予算でも希望する広さの土地や家を買える可能性が高まります。
2. 駅近の家を買える可能性がある
都内では駅周辺には主にマンションが建ち並び、宅地そのものが希少です。その結果、宅地が売りに出ていても高額で手が出しにくく、特に一戸建てを希望する場合は駅から離れた場所に住むしかないことがよくあります。しかし、通勤時間が1時間以上かかるような郊外エリアでは、駅周辺に広がる住宅地の中から、手頃な価格で徒歩5分圏内の家を買えることも珍しくありません。
3. 治安がよく、子育てに向いている
郊外の家は、価格だけでなく環境面でも魅力があります。郊外の住環境は子育てにも最適です。広いスペースで子供たちが思いっきり遊べる場所があり、安全で静かな環境が整っています。これは子供たちにとっても、親にとっても大きなメリットと言えるでしょう。
4. 通勤時間中、読書などに充てられる
通勤時間が1時間以上かかる場合、電車やバスの中での通勤時間を読書や勉強などの趣味に充てることができます。そのほかにも、動画を観る、音楽を聴く、ラジオをタイムフリーで聴くなど、趣味の時間に充ててもよいですね。このような柔軟性があることで、通勤時間が単なる移動だけでなく、有益な時間として活かされることとなります。
どんなことにもデメリットはあります。メリットに続いて、通勤時間1時間以上の家を買うデメリットを解説します。
1. 睡眠時間や家族との時間が減る
通勤にかかる時間が増えることで、睡眠時間が減少する可能性があります。朝早く出勤する必要がある場合や、夜遅くまで働くことがある場合、十分な休息が難しくなります。また、通勤時間が長いと家族との時間が減少することも懸念されます。家に帰った時には既に家族が寝ていたり、十分なコミュニケーションが取れなかったりすると、ストレスや不満を生むことになるかもしれません。
2. 通勤手当の上限次第では交通費がかかる
通勤手当は通勤にかかる交通費を補助する制度であり、通勤距離や時間が増加すればそれに比例して交通費も増えることがあります。
しかし、通勤手当には上限が設けられている場合があり、通勤時間が長いほどその上限に達しやすくなります。また、通勤手段によっては定期券や交通カードの購入が必要な場合があり、これも通勤費用を増やす一因となります。
3. 災害時、帰宅難民になる可能性がある
通勤時間が1時間以上かかる場合、災害が発生した際に迅速な帰宅が難しくなり、安否確認や家族との連絡が滞ることが懸念されます。
特に交通機関がストップするなどの制約が生じた場合、帰宅難民になる可能性があります。徒歩で帰宅できればよいですが、道路状況が安全とは限りません。このデメリットを踏まえて、住まいを選ぶ際には災害時のアクセスや避難のしやすさも考慮することが重要です。
4. 利便性の悪さから車が必要になる
郊外では駅や交通機関が遠く、徒歩でのアクセスが難しいことがあります。このため、車が必要となる可能性があります。車通勤に切り替える方もいらっしゃるかもしれません。車が必要となると、駐車場の確保や燃料費、車の維持費用がかかります。これらのコストや手続きの手間を考慮する必要があります。また、車の運転には時間や体力がかかり、通勤時間に余裕がなくなることも懸念されます。
通勤時間1時間以上の家を買う場合、どのようなことに注意すればよいのでしょうか。
1. 価格の安さで妥協しない
郊外の家は物件価格が低い傾向がありますが、価格の安さに魅かれて妥協してしまうと、その後の生活に悪影響を及ぼす可能性があります。住環境や建物の品質、近隣の施設や治安などをきちんと調査し、価格だけでなく将来の居住環境を見据えて検討することが重要です。
2. 今後のライフプランを考える
現在独身であっても、将来的には結婚や子供の誕生など、家族構成が変わる可能性があります。将来の家族計画を考慮して、住まいの広さや環境も重要視しましょう。また、老後もその地域で暮らしていけるかも考えることも大切です。地域によっては坂道が多く、足腰に負担がかかる可能性があるため、検討に際しては十分な注意が必要です。
3. 通勤手当上限を超えない範囲にする
通勤手当は通勤にかかる経費の一部を補償するための手当てであり、企業によっては上限が設定されています。
通勤時間が長い場合、交通機関の利用やガソリン代が増加する可能性があるため、手当の上限を考慮せずに物件を選ぶと、予算オーバーとなり経済的な負担が生じる可能性があります。
4. 医療施設や買い物に不便がない場所を選ぶ
長時間の通勤があると、緊急時の医療アクセスや日常の買い物が難しくなる可能性があるため、これらの施設が適切な場所にあるかどうかを確かめることが重要です。生活の利便性を確保することで、通勤によるストレスを軽減し、快適な生活を築くことができます。
5. 実際に現地に行ってみる
通勤時間が1時間以上かかる家を購入する際には、実際に現地に足を運ぶことをおすすめします。以下は、その際の具体的な注意点です。
・通勤経路の確認
家から職場までの通勤経路を確認しましょう。実際に車や電車、バスを使って通勤してみることで、交通の混雑や所要時間をリアルに体験できます。
・周辺環境の視察
家の周辺環境も確認しましょう。近隣のスーパーや商業施設、医療機関などのアクセスや利便性を確認することが重要です。
・生活インフラの確認
現地に行って生活に必要なインフラが整っているか確認します。学校、公園、レジャースポット、その他の生活施設が近くにあるかどうかも考慮しましょう。
・地域の安全性
現地の治安や安全性を確認することも大切です。地元の住民とのコミュニケーションや、近隣の住宅地の雰囲気を感じ取ることができます。
・将来の発展予測
現地の発展の可能性も考慮してください。新しい開発やインフラ整備の計画があるかどうかを確認することで、将来の住環境の変化を予測できます。
これらのポイントを踏まえ、現地に足を運ぶことで、通勤時間が1時間以上かかる家の選択をより慎重かつ適切に行うことができます。
郊外の家を買う場合、通勤時間が長い分、自宅が快適で居心地の良い場所であることはより重要になります。
価格のみならず、生活の質を向上させる要素もしっかりと確認することで、通勤時間の長さによる負担を軽減することができます。
今回解説したメリットデメリットを踏まえつつ、通勤時間や経済的な側面を考慮して住まいを選ぶことが重要です。