通勤時間の平均はどのくらい?通勤時間1時間以上の家を買うメリットデメリットは?
家を買う際、通勤時間は重要な条件になります。人によって許容範囲は異なりますが、通勤時間に1時間以上かかるのは長いと感じる方も多いかもしれません。
家を探す段階で「1時間くらい大丈夫」と思っても、後から負担になる可能性があります。この記事では、通勤時間が1時間以上かかる家を選ぶ際のメリットとデメリットに焦点を当て、悩んでいる方に参考になる情報を提供します。
1. 通勤時間の平均は?片道1時間以上は長い?
5年ごとに行われる総務省統計局の「令和3年社会生活基本調査」によると、神奈川県の通勤時間(平日)が片道で39.5分。日本全国で1位という結果が出ています。
順位 | 地域 | 往復の通勤時間 | 片道の通勤時間 |
- | 日本全国 | 1時間19分 | 39.5分 |
1 | 神奈川県 | 1時間40分 | 50分 |
2 | 千葉県 | 1時間35分 | 47.5分 |
3 | 東京都 | 1時間35分 | 47.5分 |
4 | 埼玉県 | 1時間34分 | 47分 |
5 | 奈良県 | 1時間28分 | 44分 |
6 | 兵庫県 | 1時間24分 | 42分 |
7 | 京都府 | 1時間21分 | 40.5分 |
8 | 茨城県 | 1時間18分 | 39分 |
9 | 愛知県 | 1時間18分 | 39分 |
10 | 秋田県 | 1時間00分 | 30分 |
出典:総務省統計局「令和3年社会生活基本調査」都道府県別通勤・通学の行動者平均時間
https://www.stat.go.jp/data/shakai/2021/pdf/gaiyoua.pdf
都内の電車は混んでいるので、東京都の通勤時間がトップにきそうなイメージですが、神奈川県や千葉県の方が都内の通勤地に通っているケースが多いことが予想できます。とは言え、1位の神奈川県と2位・3位の千葉県・東京都との通勤時間に大きな差はありません。最大で50分と考えると、通勤時間に1時間以上かけるのは長いと言えそうですね。
2. 通勤時間1時間以上の家を買うメリット
通勤に1時間以上かけると、会社が都内にある場合は郊外に住むことが選択肢となります。しかし、「郊外で1時間以上通勤するメリットってあるの?」と疑問に思う方もいるでしょう。実は、この選択には多くのメリットがあります。
1. 同じ予算でも郊外なら広い家を買える
都内でも一駅違うだけでも価格差が大きいことがあります。都内の人気エリアに建つ家は価格が高騰していて買えないという声もよく耳にします。
郊外の家なら、同じ予算でも希望する広さの土地や家を買える可能性が高まります。
2. 駅近の家を買える可能性がある
都内では駅周辺には主にマンションが建ち並び、宅地そのものが希少です。その結果、宅地が売りに出ていても高額で手が出しにくく、特に一戸建てを希望する場合は駅から離れた場所に住むしかないことがよくあります。しかし、通勤時間が1時間以上かかるような郊外エリアでは、駅周辺に広がる住宅地の中から、手頃な価格で徒歩5分圏内の家を買えることも珍しくありません。
3. 治安がよく、子育てに向いている
郊外の家は、価格だけでなく環境面でも魅力があります。郊外の住環境は子育てにも最適です。広いスペースで子供たちが思いっきり遊べる場所があり、安全で静かな環境が整っています。これは子供たちにとっても、親にとっても大きなメリットと言えるでしょう。
4. 通勤時間中、読書などに充てられる
通勤時間が1時間以上かかる場合、電車やバスの中での通勤時間を読書や勉強などの趣味に充てることができます。そのほかにも、動画を観る、音楽を聴く、ラジオをタイムフリーで聴くなど、趣味の時間に充ててもよいですね。このような柔軟性があることで、通勤時間が単なる移動だけでなく、有益な時間として活かされることとなります。
3. 通勤時間1時間以上の家を買うデメリット
どんなことにもデメリットはあります。メリットに続いて、通勤時間1時間以上の家を買うデメリットを解説します。
1. 睡眠時間や家族との時間が減る
通勤にかかる時間が増えることで、睡眠時間が減少する可能性があります。朝早く出勤する必要がある場合や、夜遅くまで働くことがある場合、十分な休息が難しくなります。また、通勤時間が長いと家族との時間が減少することも懸念されます。家に帰った時には既に家族が寝ていたり、十分なコミュニケーションが取れなかったりすると、ストレスや不満を生むことになるかもしれません。
2. 通勤手当の上限次第では交通費がかかる
通勤手当は通勤にかかる交通費を補助する制度であり、通勤距離や時間が増加すればそれに比例して交通費も増えることがあります。
しかし、通勤手当には上限が設けられている場合があり、通勤時間が長いほどその上限に達しやすくなります。また、通勤手段によっては定期券や交通カードの購入が必要な場合があり、これも通勤費用を増やす一因となります。
3. 災害時、帰宅難民になる可能性がある
通勤時間が1時間以上かかる場合、災害が発生した際に迅速な帰宅が難しくなり、安否確認や家族との連絡が滞ることが懸念されます。
特に交通機関がストップするなどの制約が生じた場合、帰宅難民になる可能性があります。徒歩で帰宅できればよいですが、道路状況が安全とは限りません。このデメリットを踏まえて、住まいを選ぶ際には災害時のアクセスや避難のしやすさも考慮することが重要です。
4. 利便性の悪さから車が必要になる
郊外では駅や交通機関が遠く、徒歩でのアクセスが難しいことがあります。このため、車が必要となる可能性があります。車通勤に切り替える方もいらっしゃるかもしれません。車が必要となると、駐車場の確保や燃料費、車の維持費用がかかります。これらのコストや手続きの手間を考慮する必要があります。また、車の運転には時間や体力がかかり、通勤時間に余裕がなくなることも懸念されます。
4. 通勤時間1時間以上の家を買う時の注意点
通勤時間1時間以上の家を買う場合、どのようなことに注意すればよいのでしょうか。
1. 価格の安さで妥協しない
郊外の家は物件価格が低い傾向がありますが、価格の安さに魅かれて妥協してしまうと、その後の生活に悪影響を及ぼす可能性があります。住環境や建物の品質、近隣の施設や治安などをきちんと調査し、価格だけでなく将来の居住環境を見据えて検討することが重要です。
2. 今後のライフプランを考える
現在独身であっても、将来的には結婚や子供の誕生など、家族構成が変わる可能性があります。将来の家族計画を考慮して、住まいの広さや環境も重要視しましょう。また、老後もその地域で暮らしていけるかも考えることも大切です。地域によっては坂道が多く、足腰に負担がかかる可能性があるため、検討に際しては十分な注意が必要です。
3. 通勤手当上限を超えない範囲にする
通勤手当は通勤にかかる経費の一部を補償するための手当てであり、企業によっては上限が設定されています。
通勤時間が長い場合、交通機関の利用やガソリン代が増加する可能性があるため、手当の上限を考慮せずに物件を選ぶと、予算オーバーとなり経済的な負担が生じる可能性があります。
4. 医療施設や買い物に不便がない場所を選ぶ
長時間の通勤があると、緊急時の医療アクセスや日常の買い物が難しくなる可能性があるため、これらの施設が適切な場所にあるかどうかを確かめることが重要です。生活の利便性を確保することで、通勤によるストレスを軽減し、快適な生活を築くことができます。
5. 実際に現地に行ってみる
通勤時間が1時間以上かかる家を購入する際には、実際に現地に足を運ぶことをおすすめします。以下は、その際の具体的な注意点です。
・通勤経路の確認
家から職場までの通勤経路を確認しましょう。実際に車や電車、バスを使って通勤してみることで、交通の混雑や所要時間をリアルに体験できます。
・周辺環境の視察
家の周辺環境も確認しましょう。近隣のスーパーや商業施設、医療機関などのアクセスや利便性を確認することが重要です。
・生活インフラの確認
現地に行って生活に必要なインフラが整っているか確認します。学校、公園、レジャースポット、その他の生活施設が近くにあるかどうかも考慮しましょう。
・地域の安全性
現地の治安や安全性を確認することも大切です。地元の住民とのコミュニケーションや、近隣の住宅地の雰囲気を感じ取ることができます。
・将来の発展予測
現地の発展の可能性も考慮してください。新しい開発やインフラ整備の計画があるかどうかを確認することで、将来の住環境の変化を予測できます。
これらのポイントを踏まえ、現地に足を運ぶことで、通勤時間が1時間以上かかる家の選択をより慎重かつ適切に行うことができます。
5. まとめ
郊外の家を買う場合、通勤時間が長い分、自宅が快適で居心地の良い場所であることはより重要になります。
価格のみならず、生活の質を向上させる要素もしっかりと確認することで、通勤時間の長さによる負担を軽減することができます。
今回解説したメリットデメリットを踏まえつつ、通勤時間や経済的な側面を考慮して住まいを選ぶことが重要です。