【2023年10月最新】大手4銀行が固定金利を引き上げ 今住宅ローンを組むなら変動?固定?
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【目次】
2.全期間固定金利型
2.固定を検討するなら金利が上がる前に組む
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「そろそろ低金利時代が終わる」と言われていますが、2023年10月現在、変動金利に大きな変化は見られず、低金利が続いています。ただし、大手4銀行は10月に固定金利を引き上げました。
本記事では、2023年10月の金利動向、金利の特徴、そして住宅ローンを組む際に変動金利か固定金利かを考える際の要点について詳しく解説します。
[1] 2023年10月の金利
まずは、2023年10月の金利動向を見ていきましょう。
1.大手4銀行が10月の固定金利を引き上げ
変動金利、固定金利の順に説明します。
2023年10月金利
変動金利 | 10年固定 | 20年固定 | 35年固定 | |
三菱UFJ銀行 | - | +0.060% | +0.110% | +0.120% |
三井住友銀行 | - | +0.050% | +0.100% | -0.090% |
みずほ銀行 | - | +0.100% | +0.050% | +0.070% |
りそな銀行 | -0.030% | +0.080% | +0.070% | +0.040% |
変動金利は短期プライムレートが基準のため、今のところ大きな変化はなく、低金利が続いています。(短期プライムレートとは、銀行が最優良企業に融資する際の最優遇貸出金利のうち、1年以内の短期貸出に適用される金利のことです。変動金利の利率は、短期プライムレートに1%加算した利率を基準として決定します)
一方、固定金利に関しては、主要な4つの大手銀行が代表的な10年固定金利を引き上げました。長期金利についても注目が集まっており、9月29日には10年ぶりに0.77%という高水準に達しました。今後も各銀行で住宅ローンの固定金利引き上げの動きが続く可能性が高まっています。日本銀行が7月に長短金利操作の柔軟化を決定して以来、固定金利の基準である長期金利は上昇傾向にあります。ただし、固定金利は一概に上昇し続けるわけではなく、月によっては前月よりも低下することもあるでしょう。
2.「フラット35」は2ヵ月連続で金利引き上げ
2023年1月、フラット35の金利は1.60%からスタートしましたが、その後、上下の変動を繰り返し、2023年9月には1.80%となり、さらに2023年10月には1.880%に上昇しました。9か月の間に、1月から0.28%も金利が上昇し、これで2ヶ月連続の金利引き上げとなりました。
この金利の上昇が、具体的に返済額にどれくらいの差を生むのかを計算してみましょう。5,000万円を35年で借り入れたと仮定します。
金利 | 月々の返済額 | 総返済額 | 利息 |
1.60% | 155,553円 | 約6,533万円 | 約1,533万円 |
1.80% | 160,546円 | 約6,743万円 | 約1,743万円 |
同じ借入額で金利が0.20%上昇すると、総返済額に約210万円もの違いが生じます。これはかなりの差ですね。フラット35は、自営業の方も審査に通りやすく、固定金利なので資産計画も立てやすいので多くの方に選ばれています。メリットが多いのに金利が高いからといって候補から外してしまうのはもったいないですよね。金利の高さだけで判断せずに、フラット35が自分に合っていればそれがベストです。
[2] 金利の特徴やメリットデメリットをおさらい
住宅ローンの金利は「変動金利型」「全期間固定型」「固定期間選択型」の3種類あります。こちらの記事をご覧いただいている方は、金利について一定の知識をお持ちかもしれませんが、それぞれの特徴やメリットデメリットを再確認してみましょう。
1.変動金利型
変動金利型は、借入期間中に金利が変動するタイプです。通常、半年ごとに金利が再評価され、5年ごとに返済に反映されます。
【変動金利型のメリット】
・固定金利よりも金利が低い
変動金利の最大のメリットは、金利の低さです。現在、多くの金融機関では0.3台前後の金利が一般的となっています。ネット銀行では0.2%台の金利も提供されていることもあります。
・固定金利よりも返済額が少ない
低金利で借り入れることにより、毎月の返済額が低く抑えられ、利息負担が軽減されます。
・5年ルールと125%ルールがあるので急に返済額が増える心配はない
変動金利型の住宅ローンには、「5年ルール」と「125%ルール」という緩和措置が用意されており、これらの措置によって急激な返済額の変動を緩和できます。
5年ルール:金利が上がっても、5年間は返済額が変わらない
125%ルール:金利が上がっても、6年~10年目の返済額は従前の125%より高くならない
【変動金利型のデメリット】
・金利が上昇するリスクがある
変動金利型の最大のデメリットは、金利が変動するため、将来の金利の動向が予測できないことです。安定を求める方には変動金利は向いていません。
・5年ルールと125%ルールで緩和された返済額は最終的に精算される
これらの2つのルールで緩和された金利分は、ゼロになるわけではなく、最終的に精算されます。金利の上がり具合によっては、家計に負担がかかる可能性が高くなります。
・常に金利の動向をチェックしていなければならない
金利が上昇すると家計に負担をかける可能性があるため、常に金利の動向をチェックすることが重要です。今後の金利の動向次第では、借り換えを検討する必要が出てきます。借り換えはしなくても、金利が変動した際に、家計の予算調整や繰り上げ返済の検討が含まれます。
2.全期間固定金利型
全期間固定金利型は、借入期間中ずっと金利が変わりません。そのため、月々の返済額も固定されています。
【全期間固定金利型のメリット】
・返済額が安定している
全期間固定金利型は、借入期間中に金利が一切変動しないため、月々の返済額が予め確定されます。これにより、将来のライフプランを立てやすく、家計管理が安定します。
・金利上昇のリスクを気にする必要がない
金利が変動しないため金利上昇のリスクを気にする必要がありません。長期間にわたって金利が一定であることから、安心感を持つことができます。
【全期間固定金利型のデメリット】
・変動金利型よりも金利が高い
全期間固定金利型は、変動金利型に比べて通常金利が高めです。このため、金利の安定性を得る代わりに、高い金利を支払うことになります。
・金利が上昇しないと支払額で損をしてしまう
将来的に金利が上昇しなかった場合、変動金利型に比べて高い金利でローンを返済することになり、返済額が多くなる可能性があります。
3.期間選択型固定金利型
固定期間選択型は、3年、5年、10年など固定金利の期間が決まっており、期間終了後に適用金利を選択します。
【期間選択型固定金利型のメリット】
・固定期間中の安心感
期間選択型固定金利型は、選択した期間中は金利が変動せず、毎月の返済額が一定です。これにより、安定感のある家計管理が可能となります。
・金利が選択できる
固定期間終了後、新しい金利を選択することができます。金利が低下している場合、低金利の選択が可能で、これにより将来の支払い負担を軽減できます。
【期間選択型固定金利型のデメリット】
・長期の固定金利は高い
固定期間を長く選ぶほど、金利が高くなります。長期間の金利固定を望む場合、金利の上昇に対する保険として高い金利を支払う必要があります。
・金利の変動リスク
固定期間経過後、金利が上昇している場合、新しい金利がより高くなり、返済額が増加する可能性があります。これに対するリスクがあることを考慮する必要があります。
[3] 今住宅ローンを組むなら変動?固定?
住宅ローンを選ぶ際には、変動金利と固定金利の2つの選択肢があります。変動金利型は今のところ低金利が続いていて、固定金利は上昇傾向にある中、今住宅ローンを組むなら変動か固定かお悩みの方も多いことでしょう。どちらが最善かは一概には言えませんが、この章で提供する情報が、選択の際の参考になれば幸いです。
1.迷った時は変動金利が無難
どちらを選ぶかは、個人の資金状況やリスク許容度によって異なりますが、「迷った時は変動金利が無難」と言えるでしょう。
その理由は以下のとおりです。
・低金利
やはり変動の低金利がもたらすメリットは大きいです。最初から低い返済額で始められるため、家計への負担が軽減されます。低金利はまだ続く見込みですし、金利が上昇したとしても5年ルールと125%ルールで緩和されるので、いきなり家計に響くわけではありません。もちろん、先に説明したように2つのルールで緩和された金利分は最終的に精算されるので負担額は増えてしまいますが、資金計画さえしっかりと立てていればリスクは回避できます。
・短期間の借り入れに適している
変動金利は、短期間の住宅ローンや住宅ローンの一部をカバーするのに適しています。将来の金利動向が不透明な場合は、一時的に変動金利を選び、後で固定金利に切り替えることも可能です。
ただし、変動金利を選ぶ際には、将来の金利上昇に備えるために予算を設定し、リスク管理を行うことが重要です。金利の動向も常にチェックしている必要もありますから、そういったことがプレッシャーな方には変動金利はおすすめしません。
2.固定を検討するなら金利が上がる前に組む
固定金利を検討する場合、重要なのは金利が上昇する前にローンを組むことです。
固定金利は将来の金利上昇から保護してくれる一方、現在の金利水準が比較的高いことがあるため、早めに行動することが重要です。金利が上昇すると、同じ条件でのローンを組む際に返済額が増え、資金計画に影響を及ぼす可能性があります。
[4] 借り換えをした方がお得なケースも
借り換えとは、既存の住宅ローンを新たな金利条件や返済プランで再構築することを指します。
今借りている住宅ローンの金利よりも低い金利の住宅ローンに借り換えをすれば、毎月の返済額だけではなく総返済額も減らせますし、現在加入している団体信用生命保険の保障内容が死亡や高度障害時の保障のみなら、手厚い保障内容の団体信用生命保険に切り替えるチャンスです。
さらに、借り換えを検討する際、多くの金融機関は新規借り入れと同じ優遇幅を提供しており、さらには新規借り入れよりも借り換えの方が金利面で優遇されることもあります。借り換えには手数料などのコストもかかりますが、金利差を考慮すると、借り換えは多くの場合、お得な選択肢となります。
とは言え、借り換えには、手数料がかかるというデメリットも存在します。こちらの記事で借り換えについて詳しく解説しておりますので、参考にしてください。
[5] まとめ
今回は2023年10月時点での住宅ローン金利の動向をメインに解説しました。変動の低金利が続いている中、固定金利か上昇したのでどちらにしようか悩みますよね。ただ、住宅ローンを選ぶ際、金利の低さを重視しがちですが、自分の資金状況やリスク許容度によって最善の選択は異なります。「金利についてもっと知りたい!」「自分がいくらの家を買えるのか教えてほしい!」という方もミツバハウジングまでお問い合わせください。