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家の売却における「売却損」と利用できる特例

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【目次】

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家の売却における「売却損」とは、家を購入した時に支払った価格よりも低い価格で売却することによって損失が発生する場合、その損失を指します。
できれば損失なく売却できればよいですが、損失が出てしまった場合は、特例を利用しましょう。

この記事では、売却損の基礎知識や売却損が出た場合に利用できる特例、特例を利用するために行う確定申告についても説明します。

 

[1] 家の売却における「売却損」について

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冒頭でも説明しましたが、「売却損」とは、売却価格が購入価格よりも低い場合に生じる損失のことを指します。ただ、売却損は「売却価格−購入価格」といった単純な計算では求められません。この章では、家の売却における売却損の基本的な考え方を説明します。

1.「譲渡所得=黒字」と「譲渡損失=赤字」
不動産売却時に使われる用語で、「譲渡所得」と「譲渡損失」というものがあります。簡単にいえば、譲渡所得は黒字、譲渡損失は赤字です。

・譲渡所得=黒字
売却価格が購入価格を上回る場合、その差額を「譲渡所得」と呼び、これは利益を示します。その利益は「黒字」とも呼ばれることがあります。
ちなみに、譲渡所得と不動産所得を混同している方が時々いらっしゃるのですが、不動産所得は、土地の賃貸料やアパートやマンションなどの貸し借りによって得られる収益を指します。不動産を売却したときの利益を指す譲渡所得とは異なります。

・譲渡損失=赤字
売却価格が購入価格を下回る場合には、その差額を「譲渡損失」と呼び、売却による損失を表します。その損失は「赤字」とも呼ばれます。「損失」というワードがついているので分かりやすいですね。

 

2.譲渡所得の計算式(売却損は「売却価格−購入価格」ではない
譲渡所得は、不動産を売却した際の売却価格そのものではなく、少し複雑な計算が必要です。たとえ不動産を4,000万円で売却したとしても、すべてが利益になるわけではありません。

利益を正確に評価するには、不動産を購入した際の費用(取得費)と、売却した際の費用(譲渡費用)を売却金額から差し引いて計算する必要があります。

計算式で表すと以下のようなります。

売却益(譲渡所得)= 売却価格

売却価格から以下の3つの費用を差し引く

①  物件の購入価格から減価償却費を引いた価格(購入したときの価格)
②  購入したときの費用(取得費)
③  売却したときの費用(譲渡費用)

 

取得費と譲渡費は、以下のものが該当します。

・取得費(不動産を購入したときの費用)
取得費には、売った土地や建物の購入代金、建築代金、購入手数料のほか設備費や改良費なども含まれます。建物の取得費は、購入代金又は建築代金などの合計額から減価償却費相当額を差し引いた金額となります。(1)土地・建物の購入代金
(2)建築代金
(3)購入時にかかった税金(登録免許税、不動産取得税、印紙税など)
(4)仲介手数料
(5)測量費
(6)整地費・建物の取り壊し費用など
(7)設備費
(8)改良費
(9)一定の借入金利子

参考:国税庁のホームページ「No.3252 取得費となるもの

 

・譲渡費(売却したときの費用)
修繕費や固定資産税など、その資産の維持や管理のためにかかった費用や売却した代金の取立てのための費用などは譲渡費用に含まれません。(1)土地や建物を売るために支払った仲介手数料
(2)印紙税で売主が負担したもの
(3)貸家を売るため、借家人に家屋を明け渡してもらうときに支払う立退料
(4)土地などを売るためにその上の建物を取り壊したときの取壊し費用とその建物の損失額
(5)既に売買契約を締結している資産を更に有利な条件で売るために支払った違約金。これは、土地などを売る契約をした後、その土地などをより高い価額で他に売却するために既契約者との契約解除に伴い支出した違約金のことです。
(6)借地権を売るときに地主の承諾をもらうために支払った名義書換料など

参考:国税庁のホームページ「No.3255 譲渡費となるもの

この計算をすることで、売却によって生じる収益や損失を明確に把握できます。売却益が発生した場合は、確定申告をして「譲渡所得税」を支払う必要があります。
一方、譲渡所得がマイナスの場合は、売却による損失が生じたことになり、「譲渡損失」となります。この場合、通常は確定申告の必要はありません。

 

3.家の売却で売却損になるケースとは
譲渡損失は、主に以下のような状況で発生します。

・一戸建て物件が年数経過に伴い建物価格が減少し、売却価格が取得費用を下回った場合。

・不動産の周辺地域の土地価格が購入時よりも下落し、売却価格が取得費用を下回った場合。

・住宅ローンを完済するために不動産を売却しようとしたが、残債が完済できず、損失が生じた場合。

・購入価格とほぼ同額で不動産を売却したが、仲介手数料などの費用を差し引いた結果、損失が発生した場合。

これらの状況では、不動産を売却しても損失が発生し、譲渡損失が生じることになります。

 

[2] 売却損が出た場合に利用できる特例

次に、売却損が出た場合に利用できる特例を説明します。

1.【買換えがある場合】マイホームを買い替えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例
この特例は、一戸建て買い換えを前提とした税制優遇措置です。具体的には、不動産を保有してから5年以上が経過し、それを売却して特定の住宅に買い替えた際に適用されます。

適用されるのは、所有者の住宅ローン残高よりも低い価格で売却され、その結果損失(譲渡損失)が生じた場合です。この特例により、その年の他の所得から譲渡損失を差し引くことが可能な「損益通算」という仕組みが提供されます。特例を適用した年だけで赤字をすべて損益通算できなかった場合、残額は売却した年の翌年以後最大3年繰り越すことができます。

さらに、この特例は住宅ローン控除と併用できるため、売却と新居の購入が同じ年に行われる場合、確定申告時に特例をまとめて適用することができます。ただし、合計所得が3,000万円を超える場合にはこの繰越控除の特例が適用されませんので、ご注意ください。

【売却する資産の条件】
・自身が住んでいる家の譲渡であること
・所有期間が譲渡年の1月1日時点で5年を過ぎていること
・敷地の売買には500㎡まで制限があること

 

【買換える資産の条件】
・売却年の1月1日又はその前年からの売却の翌年の12月31日までに借入れにより取得すること
・取得年の翌年12月31日までに居住すること
・床面積50㎡以上であること
・繰越控除を受ける年末に所定の住宅ローンの残高があること
・借入先は親族以外の所定の金融機関等であること

 

ただし、上記の要件を満たしていても、以下のケースは適用対象外となります。

【適用対象外となるケース】
・売却年の翌年12月31日までの間に、買取のための住宅ローン借り入れを行う必要がある。
・買換資産(新居宅)を取得した年の翌年12月31日までに、居住用に供する、または供する見込みである必要がある。
・移住先の家屋の床面積が50平方メートル以上であるものを取得する必要がある。
・住宅ローン控除はあくまで控除すべき所得税額があることが前提のため、譲渡した年以降、譲渡資産の譲渡損失の損益通算・繰越控除により所得がない年には、住宅ローン控除による減税はできない。

詳しくは国税庁のホームページをご確認ください。
No.3370 マイホームを買換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例

 

2.【買換えがない場合】特定のマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例
マイホームを買い替えなくても適用できる税制優遇措置です。ただし、買い替えた場合でもこの特例を活用することができます。さらに、住宅ローン控除との併用も可能です。

この特例では、売却損失額と売却金額を差し引いたローン残高(オーバーローン)のうち、小さい方が損益通算の対象となる金額として考慮されます。

特例を適用した年で損益通算しきれない場合は、残額を売却した年の翌年から最大3年間にわたり繰越して控除できます。ただし、合計所得金額が3,000万円を超える場合には繰越控除の特例は適用されませんのでご注意ください。

【売却する資産の条件】

・売却損失が発生していること
・売却資産に返済期間が残っているローンがある
・売却金額よりもローン残高の方が多い
・売却資産は国内に存在し、居住用として使用していた
・売却した年の1月1日時点で所有期間が5年を超えている
・売却資産から転居したのは3年前の年の1月2日以後
・親族など特別関係者との売買ではない
・譲渡所得の居住用財産の特例を他で適用していない

詳しくは国税庁のホームページをご確認ください。
No.3390 特定のマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例

 

[3] 確定申告の流れや必要書類


売却で損失が出た場合は、譲渡所得税の課税対象から外れるため、確定申告は不要ですが、利益が出た場合は確定申告が必要です。また、特例を利用するには確定申告が必須です。この章では、確定申告の流れや必要書類について説明します。

1.確定申告手続きの流れ
確定申告は、計算期間が1月1日から12月31日の1年間で行います。必要な書類を用意し、2月15日から3月15日の間に提出と納税の手続きを行います。確定申告の流れは以下のとおりです。

1.課税譲渡所得を計算する。
2.必要な書類を整理する。
3.確定申告書を作成する。
4.税務署に出向いて手続きを行うか、電子申告を利用する。
5.納税または還付を受ける。

最初に必要なのは確定申告書です。これは、最寄りの税務署で入手することができますが、国税庁のウェブサイトの「確定申告書作成コーナー」を利用しても作成できます。作成した申告書は印刷して税務署に提出するか、国税庁が提供するe-tax(国税に関する申告、申請、納税に関するオンラインサービス)を利用して電子申告することもできます。

申告書を提出した後、納税または還付が行われます。還付を受ける場合は、申告書に記入した金融機関の口座に振り込まれます。

納税は以下の方法があります。
・振替納税を利用する
・現金で納付する
・国税電子申告・納税システム(e-Tax)を利用して納付する
・クレジットカードを使用して納付する

 

2.必要書類
不動産売却で赤字になった場合の確定申告では、必要書類がどの控除を受けるかによって変わります。

【家を買換える場合の必要書類】
・売却した不動産の登記事項証明書(原本)
・買換えた不動産の登記事項証明書(原本)
・買い替えた不動産の住宅借入金などの残高証明書

【家を買換えない場合の必要書類】
・売却した不動産の登記事項証明書(原本)
・売却した不動産の住宅借入金などの残高証明書

 

[4] まとめ

記事内でも説明したとおり、家の売却における「売却損」は、売却価格が購入価格を下回る場合の損失を指します。この売却損を最適に活用するために、特定の税制特例が存在します。しかし、この特例の利用には一定の条件や制限があるため、注意が必要です。確定申告を怠らず、売却損を最大限に生かすために特例を適切に活用しましょう。

 

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