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重要事項説明書と売買契約書の違い

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【目次】

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マイホームを購入する際、不動産売買契約を締結します。締結する前には「重要事項説明」という説明を受けます。重要事項説明書に署名・捺印をします。売買契約書と記載されている内容は大きく違いがないので混同されている方が多いのですが、書面が持つ役割や法的拘束力が異なります。

今回は、重要事項説明書と売買契約書の違いや、それぞれの特徴を解説したいと思います。

 

[1] 重要事項説明書と売買契約書の違い

まずは、重要事項説明書と売買契約書の違いを解説します。

ざっくりと説明すると、重要事項説明書は説明を受けたことを証明する書類、売買契約書は購入の意思を証明するもの書類です。さらに詳しく言いますと

 

重要事項説明書…主に対象物件に関する重要な情報が記載されている

売買契約書…主に取引に関することの取り決めが記載されている

 

重要事項説明書は、対象物件に接する道路の種類や制限、ライフライン(電気・ガス・上下水道)などの対象物件に関する重要な情報が記載されています。

宅地建物取引士が重要事項説明書を口頭で説明をし、問題がなければ署名・捺印をします。これは“契約”とは別物で、あくまでも重要事項説明書は説明を受けたことを“証明”するものです。法的拘束力はありません。重要事項説明書の説明を受ける際に大事な情報を初めて知らされた場合は、契約を中止しても手付金の支払いは不要です。

一方、売買契約書は、売買代金、代金の支払時期、引渡し時期、契約違反が生じたときの解除についてなどを細かく取り決め、記載しています。契約書なので、法的拘束力が発生します。売買契約後にキャンセルしたい場合は、手付金(価格の5%~10%程度)を支払うことが通常です。

キャンセルの理由が売主の都合であれば手付金は買主へ返還されますが、買主の都合であれば手付金は返還されません。「やっぱりやめます」では済まないので慎重に申し込みをしましょう。

 

[2] 重要事項説明書とは

売買契約を締結する前には「重要事項説明書」の説明が行われます。2時間ほどかかり、内容も難しいので分かりにくいですが、物件に関する重要な事項をまとめた書面なので聞き流すのはNGです。しっかりと内容を理解しておきましょう。

 

1.重要事項説明書の内容
重要事項説明に書かれている内容は、大きく分けて、物件に関する事項と、取引条件に関する事項です。

なお、令和2年8月28日より水害ハザードマップにおける所在地の説明が義務化されています。

・物件に関する事項

(1)登記された権利の種類、内容等

(2)都市計画法、建築基準法等の法令に基づく制限の概要

(3)私道に関する負担

(4)飲用水・電気・ガスの供給・排水施設の整備状況またはその見通し

(5)(未完成物件)宅地造成または建物建築の工事完了時における形状、構造等

(6)(既存の建物)建物状況調査の結果の概要

(7)(既存の建物)建物の建築及び維持保全の状況に関する書類の保存状況

(8)造成宅地防災区域内か否か

(9)土砂災害警戒区域内か否か

(10)津波災害警戒区域内か否か

(11)水害ハザードマップにおける所在地

(12)石綿(アスベスト)使用調査結果の内容

(13)耐震診断の内容

(住宅性能評価を受けた新築住宅のとき)住宅性能評価書交付の有無

 

・取引条件に関する事項

(1) 代金、交換差金以外に授受される金額及びその目的

(2) 契約の解除に関する事項

(3) 損害賠償額の予定または違約金に関する事項

(4) (業者が自ら売主の場合)手付金等の保全措置の概要

(5) 支払金または預り金の保全措置の概要

(6)金銭の貸借のあっせんに関する事項

(7) 担保責任の履行に関して講ずる措置の内容

(8) 割賦販売に係る事項

 

・マンションの場合に必要となる事項

(1) 敷地に関する権利の種類及び内容

(2) 共用部分に関する規約等の定め

(3) 専有部分の用途その他の利用の制限に関する規約等の定め

(4) 専用使用権に関する規約等の定め

(5) 所有者が負担すべき費用を特定の者のみ減免する旨の規約等の定め

(6) 修繕積立金等に関する規約等の定め

(7) 通常の管理費用の額

(8) マンション管理の委託先

(9) 建物の維持修繕の実施状況の記録

 

[3] 重要事項説明書の確認ポイント


一目で分かるチェックリストをご用意しました。ぜひお役立てください。

・物件に関する事項

分類 内容 チェックポイント・注意事項

物件

・物件の所在地住所や面積など

・登記簿に記載されている項目

□一戸建て…道路からの高さ、傾斜の有無などを確認

□未完成の新築…パンフレットや図面を確認し、不明点がないかチェックする

□中古物件…「付帯設備表」と「物件状況確認書」を見ながら、過去に壁のひび割れや雨漏りが起きていないかなど、建物の状態を確認

□抵当権が設定されている場合は、抹消される時期を確認し、契約書に明記してもらうこと

□「仮登記」という設定がある場合は、そのままだと物件を所有できなくなる可能性もあるため注意

法令上の制限

・用途地域や建ぺい率など、各種の法令に基づく制限事項 □住宅を建てられない区域ではないか

□物件周辺の土地の「用途地域」と、その地域にはどんな建物が建てられるのかを確認する

□(主に一戸建て・土地)その土地に建てられる「建物の高さや面積」などに関する法基準を確認

□建て替えや増改築の際の制限がないか

インフラの整備

・水道・電気・ガスの供給、排水の施設について □インフラがきちんと整備されているか?

□出来ていない場合は整備の見込みや、整備費用を負担する必要があるのか

□物件が私道に接している場合は、物件に私道部分が含まれるのか

土地と道路(一戸建て・土地)

・敷地の形状や、建物の構造・仕様についての説明 □(一戸建て・土地)道路からの高さ・傾斜の有無・排水施設の状態などを確認

□(建物未完成の新築)図面集を確認し、気になるところがないかチェック

□(中古物件)「付帯設備表」と「物件状況確認書」を見て、過去に雨漏りが起きていないかなど、建物の現状を確認する

共用部分(マンション)

・管理形態や委託先、管理費、修繕積立金の説明

・共用部分の範囲や使用方法

・専用使用権について

□ロビーや廊下、ゴミ捨て場などの共用部分についてのルール

□駐車場・駐輪場の利用方法、金額

□ペットの飼育制限や、楽器の演奏

□(中古マンション)売主が管理費や修繕積立金を滞納していないかチェックし、ある場合はどう対応するか確認。

□(中古マンション)大規模修繕について確認しておく

 

・契約条件に関する事項

分類 内容 チェックポイント・注意事項
代金以外に必要な金銭について ・契約時の手付金

・固定資産税等清算金

・管理費等清算金(マンションの場合)

□広告やパンフレットと実際の面積に違いはないか

□抵当権が設定されている場合は、抹消される時期を確認し、契約書に明記してもらうこと

□「仮登記」という設定がある場合は、そのままだと物件を所有できなくなる可能性もあるため注意

契約のキャンセルについて ・手付のキャンセル

・契約違反による解除

・ローン特約によるキャンセル

・反社会的勢力排除条項に基づくキャンセル

・「引渡前の減失・毀損」によるキャンセル

□どのような場合に契約をキャンセルできるのか、キャンセルした場合、違約金は発生するのかなど、確認しておく

 

□手付のキャンセル…買主からは手付金の放棄、売主からは手付金の倍返しで契約をキャンセルできるとするケースが多い

□契約違反による解除…買主が期日まで代金未払い、または売主が期日までに物件を引き渡さない、などの場合は、契約キャンセルとともに違約金を請求できるケースが多い。違約金の金額は、売買代金の2割以内と規定されている。

□ローン特約によるキャンセル…利用予定の住宅ローンについて、取扱金融機関名や、借入・返済内容の詳細まできちんと明示されているか確認。特約の記述がない場合、なぜ特約が付けられないか確認しておく

その他・承認事項など ・購入者が事前に知っておくべき内容 □火葬場や工場などの周辺の嫌悪施設や、設備不備についても確認しておく

 

[4] 売買契約書とは


売買契約書とは、売り手と買い手の間で交わされる書類のことです。取引に関する取り決めがまとめて記載してあり、どのような条件で売買が行われたのかがわかるようになっています。

1.売買契約書の内容
売買契約書は、記載内容の決まりは特にありません。文言等は多少異なる部分もありますが、基本的に以下の内容で構成されています。

 

 

・売買物件の表示
・売買代金、手付金等の額、支払日
・所有権の移転と引渡し
・公租公課の精算
・反社会的勢力排除
・ローン特約
・負担の消除
・付帯設備等の引渡し
・手付解除
・引渡し前の物件の滅失・毀損
・契約違反による解除
・瑕疵担保責任
・特約事項

 

[5] 売買契約書とは

次に、売買契約書を締結する際に、注意しておくべき内容を解説します。

 

1.売買契約書の内容
契約の当事者・物件の確定で注意したいのは以下の4つです。

 

・契約の当事者を明確にする
売主と買主の住所・氏名を表示します。法人の場合は名称(商号)、代表者氏名、事務所の所在地を表示します。

・売買される物件を表示する
取引の対象物件とその範囲を表示します。原則として登記記録に記録された内容をそのまま記載します。

・対象面積と売買代金の決定方法を定める
土地については、売買代金を登記記録上の面積で決定する方法と、実測面積で確定させる方法があります。さらに実測面積の場合は売買契約までに確定させる方法と、契約後に実測して確定し精算する方法に分かれます。

建物は、登記記録上の面積で代金を確定する方法が一般的です。マンションの専有面積は、内法面積(壁の内側の線で囲まれた面積)で表示され、新築時のパンフレットなどに表示される壁芯面積(壁の厚みの中心線で囲まれた面積)より数字がやや小さくなるため、どちらの面積で表示したかを買主に明示する必要があります。

・物件の現地で隣地との境界
売主は、物件の現地で隣地との境界を買主に明示する必要があります。境界が不明な場合は、土地家屋調査士や測量士などを交え、隣地所有者との間で境界を確定しなければなりません。越境物がある場合は、それを買主が承継するのか、引き渡しまでに売主が解消するのかを特約で明示します。

 

2.代金の支払い時期・引き渡しなどについて
代金の支払い時期・引き渡しなどで注意したいのは以下の6つです。

・代金の支払い時期とその方法
売買代金は、契約締結時に買主から手付金を受け取り、引き渡し時に残代金の支払いを受ける形が一般的です。場合によっては約定によって中間金を受け取ることもありますが、引き渡し時に精算する場合は、その方法をあらかじめ取り決めておきましょう。

・手付金と手付解除
売買契約締結の際に買主から支払われる手付金は、最終的に売買代金に充当されます。当事者の一方が契約の履行に着手するまでは、買主は手付金を放棄し、売主は倍返しすれば契約を解除することができます。

・所有権の移転・引き渡し・登記の時期
売主による所有権の移転・引き渡し・移転登記は、原則として買主による売買代金の支払いと同時とされ、契約書でもそれを前提とするのが通常です。

・設備・備品等についての設備表
照明、エアコン、門、庭木などの設備や備品について、現状のまま引き渡すのか、故障していないかなどについて「設備表」を作成します。なお、瞬間湯沸器や給湯器など、経年劣化により重大な危害をおよぼす恐れが多い「特定保守製品」については、その旨を設備表に記載して買主に情報が円滑に伝わるようにしなければなりません。

・抵当権などの抹消
対象物件に抵当権や地役権、地上権などが設定されている場合は、売主が引き渡しまでに抹消し、買主が完全な所有権を行使できる状態にする旨を明記します。

・固定資産税や都市計画税などの精算方法を定める
固定資産税や都市計画税などついて、売主と買主による精算方法について明記します。負担の区分は、引き渡し日の前日までは売主、引き渡し日以降は買主とするのが一般的です。起算日については1月1日とする方法と4月1日とする方法がありますが、当事者の合意により決定します。

 

3.危険負担、契約違反による解除などについて
危険負担、契約違反による解除で注意したいのは以下の5つです。

・危険負担について
地震や台風などで損害を受けた場合、売主と買主どちらが損害を負担するかを定めます。民法では買主負担を原則としていますが、不動産売買の慣行では売主負担が通常です。ただ、物件の修復が著しく困難な場合は、売主または買主が契約を解除できるとしています。

・契約違反による解除について
売主、買主のいずれかに契約上の重大な違反があったときは、相手方が契約を解除できる旨を明記します。解約手付の場合、解約可能なのはいつまでなのかも明記します。売主の契約違反で買主が解除したときは、売主は買主に手付金や中間金を返還したうえで、違約金を支払います。買主の契約違反で売主が解除したときは、売主は買主に手付金や中間金から違約金を差し引いた残額を買主に返還しますが、違約金の額のほうが大きい場合はその差額を買主に請求できます。違約金の額は契約時にあらかじめ売買代金の10~20%と定めるのが通常です。

・反社会的勢力排除条項を設ける
売主と買主は反社会的勢力を排除するため、当事者が反社会的勢力に該当しないことをあらかじめ確約しておきます。

・ローン特約
買主が住宅ローンの審査に通らなかった場合に備えて、ローン特約を付けるのが一般的です。これは住宅ローンが不成立の場合に契約を白紙に戻し、売主が受け取った手付金などは買主に無利息で返還するというものです。もし契約が解除された場合は、不動産会社は仲介手数料を請求できず、すでに仲介手数料を受け取っている場合は返還する旨も記載する必要があります。

・買い替え特約
売主が自宅を買い替える場合に、旧居の売却が成立することで新居の売買契約の成立の条件になる場合があります。この場合には旧居の売主(新居の買主)と、新居の売主(不動産会社)とで取り決めた特約の内容を明示します。一定期間内に売却できなかった場合は、契約を解除するという内容が一般的です。

 

 

[6] 売買契約時に必要な物

売買契約時には、以下のものが必要になります。事前に余裕を持って準備しておきましょう。

・本人確認書類
・手付金
・印紙代
・不動産会社への仲介手数料
・印鑑(住宅ローンを利用する場合は実印)

 

[7] まとめ

重要事項説明書と売買契約書も、内容は難しいですが、難しいからといって内容を理解せずに署名・捺印をしてしまうと後々トラブルの原因になってしまう可能性があります。自分が購入をする物件はどのようなものなのか、書類にどのようなことが書いてあるのか、しっかりと理解するようにしましょう

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