新築よりも中古マンションの人気が上回っている!?選ばれている理由は何?
マイホーム購入を検討する際、新築か中古どちらにするか迷いますよね。少し前までは「どうせ買うなら新築の方が…」という人が多かった気がしますが、最近は新築よりも中古マンションの人気が上回っているのです。
新築と中古、選んだ理由・選ばなかった理由は何なのか、新築と中古で世帯年収や年齢はどう違うのか、そのほか新築と中古の比較をベースに解説したいと思います。
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【目次】
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1. 中古マンションの検討率は30%で新築マンションを上回っている
SUUMOリサーチセンターが2022年4月に実施した「住宅購入・建築検討者調査」によると、中古マンションの検討率が、2019年以降で初めて新築マンションを上回ったとのことです。
ひとつ前のコラム『2022年はマンションの売り時』といわれる4つの理由でも解説しましたが、ここ数年はマンションブームが続いています。新築マンションだけではなく、中古マンションの価格も高騰していて、「レインズ」を運営する公益財団法人東日本不動産流通機構が発表した「首都圏不動産流通市場の動向」によると、2021年の中古マンション物件価格も3,554万円(前年比7.8%上昇)と2年ぶりに上昇しているという結果が出ています。
中古マンションの価格が上昇傾向にある大きな理由としては、新規マンションの価格高騰が一番大きいかと思います。新規マンションは高すぎて買えないという人が中古マンションを検討するケースは珍しくありません。また、ウッドショックによる一戸建て不足もマンション人気に影響していることも予想できます。
新築 | 中古 | |||
メリット | デメリット | メリット | デメリット | |
検討時 |
間取りの選択肢が多い。室内設備のオプションも選べる。 | 購入前に部屋の中や眺望、日当たりなどが確認できない。 | 購入前に部屋の中や眺望、日当たりなどが確認できるので、入居後のイメージが湧きやすい。 | 希望通りの物件があるとは限らない。 |
価格 |
購入時の諸費用は物件価格の5%以内で収まる。購入後の価格下落幅が大きい。 | 物件価格が高い | 新築に比べると価格が安い。購入後の価格下落幅が小さい。 | 購入時の諸費用が物件価格の5〜8%かかる。
仲介手数料がかかる。
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税金
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税制面での優遇制度がある。 | 消費税がかかる。 | 適用要件を満たせば税制面での優遇制度を利用可能。売主が個人の場合、消費税はかからない。
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適用条件を満たしていない場合は、住宅ローン控除などの優遇制度を利用できない。 |
構造・設備・仕様
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最新の設備や構造が使われている。 | 特になし。 | 購入価格が低い分、カリフォームにお金をかけられる。
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築年数や管理状態によっては躯体構造が劣化している可能性がある。 |
セキュリティ |
オートロックや24時間セキュリティが導入されている物件が多い。 | 特になし。 | 特になし(物件によっては住民同士の見守りが可能な場合も) | オートロックや監視カメラがない物件もある。 |
立地 | 比較的、駅近や好立地の物件が多い。 | 希望通りの立地にあるとは限らない。 | 新規よりも選択肢が多いので、希望の立地で見つかる場合が多い。 | 好立地の物件は新築よりも価格が高い場合もある。 |
管理
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24時間ゴミ出し可能、共有部分の管理はマンションが行う。 | 管理状態が未知数な部分がある。 | 購入前に管理状態や修繕履歴などが分かる。 | 経過と共に修繕積立金が高くなる傾向にある。 |
立地や設備などに関しては、良し悪しの基準は人それぞれかと思います。税制面での優遇措置が利用できるのかが気になるポイントではないでしょうか。
令和4年度税制改正されたことにより、住宅ローン控除の内容は変わりました。中古住宅を購入して住宅ローン控除を利用した場合の最大控除額は、改正前が200万円、改正後は140万円に縮小されました。詳しくは以下の記事で解説していますので、ご一読ください。
仲介手数料の有無も気になる方が多いかと思います。新築マンションは仲介する必要がないので仲介手数料はかかりませんが、中古マンションは仲介手数料が必要です。
その他、新築と中古に関する記事はこちらからどうぞ!
中古マンション取得世帯が既存住宅にした理由として「リフォームで快適に住めると思ったから」、「リフォームされてきれいだったから」を選択した割合は、前年度調査から増加しています。
一方、新築マンション取得世帯が既存住宅にしなかった理由として「隠れた不具合が心配だったから」を選択した割合は、前年度調査から減少し、直近5年分の調査と比べても減少傾向にあります。
中古マンションを選んだ理由として多かったのは
・住宅の立地環境が良かったから 66.2%(前年度54.8%)
・価格が適切だったから 64.4%(前年度67.1%)
立地の良さに対して価格適切、という点が中古マンションの人気の理由なのかもしれませんね。
2.新築購入者が中古を選ばなかった理由は「気持ち」の問題?
新築購入者が中古を選ばなかった理由として多かったのは
・住宅の立地環境が良かったから 69.6%(前年度69.4%)
・新築住宅だから 63.8%(前年度57.4%)
立地環境を理由が上位なのは中古と同様ですが、2位の理由は「新築住宅だから」という気持ちの問題です。何千万とする高い買い物ですから、新品を買いたいという人が多いのでしょう。
4.新築と中古で世帯年収や年齢はどう違う?
以下は、物件購入者の世帯年収や年齢をまとめたものです。
新築も中古も、平均年齢は40代半ば、30~40歳代が多いようですが、新築購入者よりも中古購入者のほうが50~60歳以上も多く、幅広い年齢層が中古マンションを購入しています。
平均世帯年収は、新築マンションが912万円、中古マンションが745万円となっています。どちらかにしても高いですが、高所得層が必ずしも新築マンションを購入しているわけではないことが分かります。
5.物件に関する情報収集にも大きな違いがある
新築と中古では、物件の探し方にも違いがあります。
新築マンションの物件に関する情報収集方法は、「インターネット」が最も多く 58.6%、次いで「現場を通りがかった」が27.1%でした。「あ、ここにマンションが建つんだな、インターネットで調べてみよう」という流れが多そうですね。
中古マンションの物件に関する情報収集方法は、「インターネットで」が最も多く54.6%、次いで「不動産業者で」が 54.2%でした。中古マンションの場合は、自分で情報を取りにいかないと知ることができません。一般的に多いのは不動産ポータルサイトで物件を探し、気になるものがあれば不動産業者に問い合わせをする流れですね。
6.リフォームやインスペクションの普及で中古への抵抗感が減少
中古マンションを選んだ理由として、上位を占めたのは立地や価格でしたが、それらとは別にポイントになるのが「リフォームで快適に住めると思ったから」という理由です。
中古マンションを購入するにあたって、気になるのが品質。経年劣化によって老朽化している部分(水道管など)はないか、内装や設備に破損や故障はないか、住宅の品質に関しての不安は尽きないかと思います。
昨今はリフォームやリノベーションが普及しているので、新築住宅を購入しなくても自分好みの家づくりをする人が増えています。リノベーション済の物件も人気ですね。
以下は、インスペクションの認知度を表にしたものです。大きな変化はないですが、令和2年度には「知っている」が11.5%だったのが15.8に増えています。
リフォームやリノベーション、インスペクションの認知度の高まりや普及によって、中古住宅への抵抗が減っているのでしょう。
中古の瑕疵についてはこちらの記事をご一読ください。
瑕疵担保責任から契約不適合責任へ!売主と買主が取るべき対策とは
7. まとめ
最近のマンションブームで、新築マンションの価格高騰は終わる気配がありません。高くても新築マンションを買う人はたくさんいます。予算が足りないから中古で、という人も多いには多いのですが、高所得者が中古マンションを購入するケースも増えています。むしろ、「この好条件な立地に対してこの価格なら買いたい!」という人が多いのです。新築よりも中古の方が物件の選択肢は豊富ですので、住宅に対してこだわりがある人は中古の方が希望に近い物件が見つかる確率が高いかもしれません。
新築、中古どちらが良いか迷ったらミツバハウジングまでお気軽にお問い合わせください。