『中古マンションの売却』失敗するのはこんな人

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【目次】
[1]売却する前に要チェック!売却の基礎知識
1.売却の流れ
2.売却にかかる費用
[2]中古マンションの売却でよくある6つの失敗
1.時間がなくて焦っている「売り急ぎ」
2.住宅ローンの残債を確認していない
3.不動産会社選びを間違っている
4.売り出し価格が高すぎる
5.安易に売り出し価格を下げる
6.内覧準備を怠っている
[3]まとめ
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「マンションは一戸建てよりも売却しやすそう」というイメージはありませんか?確かにここ数年はマンションの需要が高まっているという理由もあり、一戸建てよりも売れやすい傾向はあります。しかし、その一方で、売却に失敗している人も多いのです。
某不動産会社が中古マンションの売却した人を対象に満足度の調査を実施したところ、3分の1の人が「失敗した」という不満を挙げたそうです。失敗しないためには、成功例を聞くことも良いですが、失敗例を聞いておくことも大切です。
そこで今回は、中古マンション売却でありがちな失敗例を8つご紹介します。これから売却を検討されている方は、要チェックの内容です。
[1]売却する前に要チェック!売却の基礎知識
売却での失敗例を紹介する前に、まずは売却の流れや費用について説明します。
1.売却の流れ
1.相場を調べる
インターネットの不動産情報サイトで自分が売りたい不動産と似た物件がいくらで売られているのか調べましょう。いろいろ調べているうちに相場感が身に付きます。相場感が身に付くと、不動産会社が提示してきた査定額が適正なのか判断できるようになりますし、売り出し価格を決める時にも役立ちます。
おすすめ記事:不動産売却の相場を自分で調べる方法
2.不動産会社に査定依頼をする
後述しますが、査定してもらう会社を1社に絞ってしまうと、査定額を低く見積もられてしまう可能性があります。できれば、一括査定で複数の不動産会社に査定してもらうことをおすすめします。
おすすめ記事:不動産会社によって査定額がバラバラなのはなぜ?【高額査定の意図】
3.媒介契約の締結
査定後、売却を依頼する不動産会社と媒介契約を結びます。媒介契約とは、不動産会社と取り決める約束事のことで、「専任媒介」「一般媒介」「専属専任媒介」の3種類があります。どちらが良いか詳しく知りたい方は下記の記事をご一読ください。
おすすめ記事:不動産売却するなら、専任媒介と一般媒介どちらがいい?
4.売り出し価格を決める
実際にどのくらいの金額でいつまでに売ればいいのかを決めます。査定価格は不動産会社がいくらで売れるかを目安にした数字なので、必ずしもその価格で売りに出さなくても問題ありません。
おすすめ記事:早く高く売る!不動産の売り出し価格の決め方
5.販売活動開始。内覧対応を行う
不動産会社に物件チラシのポスティングや、インターネットの不動産情報サイトなどに掲載してもらうなどして、販売活動を開始します。内覧対応を自分で行う際は、買主に物件に関する情報を適切に開示しましょう。
6.買主と売買契約を結び決済する
買主との交渉がまとまったら売買契約を結びます。2020(令和2年)年4月1日から法改正により「瑕疵担保責任」から「契約不適合責任」に変わりました。呼び名だけではなく、内容も大きく変わっています。
おすすめ記事:【2020年4月法改正】売主の負担はどう変わる?「瑕疵担保保険」から「契約不適合責任」へ!
7.不動産を買主に引き渡す
決済完了後、物件の引き渡しを行います。売主、買主、不動産会社、司法書士の立ち合いの上、銀行で行われることが一般的です。買主に代金の領収書と鍵を渡せば、買主に対する手続きはこれで終わりです。
2.売却にかかる費用
マンションを売却する際に必要な費用が手数料についても把握しておきましょう。
項目 | 費用 |
仲介手数料 | (売却額×3%)+ 6万円 + 消費税 |
印紙税 | ・売主・買主がそれぞれ印紙代を負担する
・契約書原本を1部作成し、原本を保管する方が印紙代を負担する 2通りの方法がありますが、売主・買主がそれぞれ負担するケースが一般的です。印紙代は売却金額により異なりますが、取引金額が1000万円超5,000万円以下であれば印紙代は1万円かかります。 |
登記費用 | 2万円程度 |
住宅ローン返済費用 | 一括返済にかかる金融機関へ支払う手数料1~3万円 |
譲渡所得税(売利益が発生した場合) | 売却で得た利益に対して金額が異なる |
住民税
復興特別所得税 |
売却した年の1月1日での保有期間によって異なる
・保有期間が5年以下…譲渡所得の39.63% ・保有期間が5年超…譲渡所得の20.315% |
ハウスクリーニング代 | ハウスクリーニングの相場
・クロス張り替え:5,000円~20,000円程度 ・フローリング床張り替え:30,000円~50,000円程度 |
引っ越し費用 | 4~5人家族であれば15~20万円程度
売却後に新居を購入する場合は、仮住まいへの引っ越し費用と、仮住まいから新居への引っ越し費用、合わせて2回分の引っ越し費用が必要です。 |
こちらの記事も参考にしてください。
不動産売却は何にいくらかかる?
[2]中古マンションの売却でよくある6つの失敗
細かくいえば20個ぐらいあるのですが、今回は“本当によくある” 6つの失敗を紹介します。
1.時間がなくて焦っている「売り急ぎ」
不動産の売買において、焦って早く売却することを「売り急ぎ」と呼びます。逆に買主が焦って買ってしまうことを「買い急ぎ」と呼んでいます。
不動産市場に活気がある時期であれば、「家を買いたい」という需要が高まっているので相場の売り出し価格でもすぐに売れることが多いです。しかし、不動産市場に活気がない時期の場合は、なかなか成約に繋がらないこともあります。
時間的制約がなければ、市場の反応をみて販売活動を工夫して、それでも売れないようなら慎重に売り出し価格を下げる…という手段を取れるのですが、「早く売りたい!」という方の場合は、安易に売り出し価格を下げてしまいがちです。
不動産の売買以外にも言えることですが、失敗する一番の原因は、焦ることです。ご事情がある方は仕方ないかと思いますが、時間的余裕を持つことが売却を成功させる大きなポイントです。
2.住宅ローンの残債を確認していない
マンションの売却をする際、住宅ローンの残債があれば金融機関へ住宅ローンの残債を支払い、住宅ローンを完済させることが絶対条件です。
アンダーローン(売却金額が住宅ローンの残債よりも多い状態)であれば、売却したお金で一括返済できますが、オーバーローン(売却金額が住宅ローンの残債を下回っている状態)の場合は、不足額を自分で用意する必要があります。
不足額を用意できない場合は、新しいローンを組んで売却後も返済を続けるか、任意売却という手段もありますが、任意売却の許可が出るかどうかは金融機関の判断次第になります。金融機関の許可がおりなければ不動産を売却することができません。
かなり重要なことなのですが、住宅ローンの残債確認をせずに売却を検討される方が多いようです。金融機関に頼めば残高証明書を発行してくれますから、必ず確認しておきましょう。
3.不動産会社選びを間違っている
不動産会社に査定を依頼したら、相場よりも高い査定額を出してくれたらあなたはどう思いますか?「こんなに高く売れるの?ラッキー!」と嬉しくなってしまう人がほとんどでしょう。
しかし、残念ながら高い査定額を提示されたのは、不動産を高く評価してくれたわけではなく、自社に売却を任せて欲しいからなのです。
複数の不動産会社に査定依頼をしていれば、明らかに相場からかけ離れた査定額に対しておかしいと思うのですが、1社にしか査定を依頼していない場合は、比較対象がないので高い査定額に惑わされがちです。
結果売れれば問題ないのでは?と思うかもしれませんが、相場からかけ離れた高い売り出し価格では買い手がつかない可能性の方が高いのです。
そして、その高い査定額で売却できる保証はありません。売却活動を開始してしばらく経ってから「高すぎて売れないので少し価格を下げましょう」と提案されるのがオチです。それなら最初から相場の金額で売っていた方がすぐ売れたかもしれません。お客様(売主)のことを全く考えていないですよね。このような不動産会社は選ぶべきではありません。
複数の不動産会社に依頼をすれば、言い方は悪いですが足元を見られることもないですし、提示された査定額や営業マンのとの相性なども比較してから選ぶことができます。特に時間に余裕がなくて売却を焦っている方は1社だけ査定を依頼して「高く査定してくれたし、ここでいいや!」と勢いで決めてしまうことが多いのでご注意ください。
4.売り出し価格が高すぎる
価格設定はかなり重要です。出だしでつまずくと必ず後から影響が出ます。
たとえば、同じマンションで同じような間取りや内装で、片方は相場よりも高い物件、もう片方は相場価格の物件があったとします。角部屋だとか日当たりだとかそういった条件で早く買い手がつくこともあるかと思いますが、同じような物件なら相場価格の物件の方が早く売れるのではないでしょうか。
このような失敗を回避するには、自分が売りたい物件の相場を知ることです。「不動産会社に任せておけば間違いない」、「不動産会社がこの物件はこの金額なら売れますと言っていたから」といった具合に、全て不動産会社に任せてしまうのはおすすめしません。自分で相場を知っておかないと、不動産会社に提示された金額を鵜呑みにしてしまったり、逆に「もっと高く売れるのでは?」と高い売り出し価格を設定してしまったり、どこか軸がブレてしまいます。
自分で相場感を身に付けておくことは売却を成功させる大きなポイントです。下記記事で相場を調べる方法を詳しく説明していますので、ぜひご一読ください。
5.安易に売り出し価格を下げる
なかなか売れないからといって、安易に値下げをするのも失敗の元です。
物件を探している人からは「売れないから値下げをしたのかな。しばらくしたらもっと安くなるかもしれないから待ってみよう」というふうに見えてしまいます。値下げをしてすぐに売れれば良いですが、そうでなければ、売れ残り感が強く出てしまいます。
状況によっては値下げを検討しなければならないこともありますが、安易に値下げをするのではなく、販売活動にも意識を向けてみてください。安ければ売れるというものではありません。不動産会社の販売活動もかなり重要です。強い宣伝力を持っている不動産会社であれば、インターネットでの集客だけではなく、ポスティングやSNSでの宣伝など幅広い媒体で集客をしてくれます。
つまり、売却を成功させるには不動産会社選びが重要なのです。売却を依頼する時は、その不動産会社がどんな販売活動をしてくれるのか必ず確認しましょう。できれば先に述べたような幅広い媒体で集客を狙う不動産会社がおすすめです。
店の前に広告だけ提示しているだけのアナログな会社はやめておきましょう。
こちらの記事もぜひ参考にしてみてください。
早く高く売る!不動産の売り出し価格の決め方
6.内覧準備を怠っている
中古マンションの購入を検討されている方の多くは、住宅の損傷や経年劣化を気にしつつも少なからず「キレイな物件」を期待しています。
それはそうですよね。中古といっても高額な買い物ですから、キレイな物件が欲しいと思うのは当然のことです。
不動産の物件検索サイトで「この物件いいな」と思ってもらえなければ、内覧どころか、問い合わせすらもらえません。物件検索サイトに掲載する写真は多少加工できたとしても、内覧時に家の中が片付いていなくて汚かったら、買う気がなくなってしまいます。
問い合わせが来ない、内覧に来てもらってもなかなか売れない…という方は内覧準備を怠っていることが多いので、できるだけ物件の印象を良くできるように意識してみてください。片付けや掃除をして、さらにハウスクリーニングでフローリングや水回りを徹底的にキレイにしましょう。
ちなみに、物件のイメージアップの方法として、「ホームステージング」「バーチャルステージング」という方法もあります。
ホームステージングとは、売却物件の室内を家具や小物でモデルルームのようなお洒落な部屋にする演出です。自分の家具を搬出し、ホームステージング用の家具を搬入します。そして内覧が終わった後に家具を再度、搬入します。物件検索サイトに掲載するための写真撮影用に行う人もいるようです。ただし、20~30万円と高いコストがかかります。
一方、バーチャルステージングは、部屋の中に家具は搬入しません。担当者が部屋の写真を撮り、その写真をもとに加工していきます。お洒落な家具や小物など、好みに合わせたインテリアをCGで演出をします。ホームステージングにかかる費用の1/5以下程度で行うことができます。
バーチャルステージングをおすすめする3つの理由【事例紹介あり】
なお、当社でも、バーチャルステージングを取り入れております。興味がある方はお気軽にお問い合わせください。
[3] まとめ
焦って失敗しないようにしっかり準備をして売却を成功させましょう!
今回の住活コラムでは、主に中古マンションで失敗しがちな例を紹介しました。いざ売却活動が始まってしまうと「早く売らなきゃ」という焦りも出てくるので冷静な判断ができなくなります。売却に焦りは禁物です。焦って失敗しないためには、事前準備が何より大事。記事内で説明したポイントを参考に、売却に向けてしっかりと準備をしてください。
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