査定依頼をする前に準備しておくべきこと
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【目次】
[1]不動産査定の流れ
[2]不動産査定を依頼する前に準備しておくべきこと
1.「机上査定」「訪問査定」どちらにするかを決める
2.自分であらかじめ相場を調べておく
3.物件のアピールポイントを考えておく
4.住宅ローン残高を確認しておく
5.買主へ引き渡す書類があるか確認
6.売却時期と売り出し価格を決める
7.修繕履歴の確認
8.土地の境界と利用履歴の確認
[3]査定依頼をするときの注意点3つ
1.複数の不動産会社に依頼する
2.物件の瑕疵(かし)も正直に伝える
3.期限や売り出し価格などの希望は明確に
[4]まとめ
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少しでも高く売りたい不動産売却。成功させるためのファーストステップは、不動産の査定です。
不動産会社は家を売るプロですから、任せておけば安心!と考えているのならちょっと危険信号。買うのも売るのも丸投げは失敗のもとです。
そこで今回の記事では、不動産会社に査定依頼をする前に準備しておくべきことや、査定依頼をするときの注意点について解説します。
[1]不動産査定の流れ
まずは、不動産査定の流れから説明します。
1.不動産会社に査定依頼する
2.不動産会社に現地調査を受ける
3.査定結果を受け取る
ここでのポイントとして、現地調査の日程は、査定に影響が出ないように昼間のうちに設定してもらうことです。日当たりや周辺環境などが分かりやすいのは明るい昼間のうちですので、不動産会社の定休日(会社にもよりますが火・水曜日)以外の日に現地調査に来てもらいましょう。
[2] 不動産査定を依頼する前に準備しておくべきこと
不動産会社に査定依頼をし、現地調査をしてもらい、査定額が出て売却の意思が固まったら、どんどん話が進んでいきます。売却活動中はなかなか落ち着いて考える時間もなくなりますので、査定依頼をする前に準備できることはしっかりやっておきましょう。
1.「机上査定」「訪問査定」どちらにするかを決める
査定には「机上査定(簡易査定)」と「訪問査定」の2種類があります。
それぞれのメリット特徴は下記のとおりです。
机上査定…実際に不動産を見ずに、物件概要などから簡易的に査定する方法。
訪問査定…物件概要だけではなく、実際に不動産を見て査定する方法。
机上査定は不動産会社が直接物件を見に来ないので、とりあえず査定額を知りたいという方向けの方法です。ただし、訪問査定よりも査定額が不正確になりやすいというデメリットがあります。
一方、訪問査定は実際に不動産会社が現地に来て調査を行うので、より正確な査定額が算出されます。近いうちに売却することが決定していて、正確な査定額を知りたいという方に向いていますが、机上査定よりも査定額が出るまで時間がかかる点がデメリットになるでしょう。ただ、時間がかかるといっても一般的には1~2日後、遅くとも1週間以内には査定額を教えてもらえます。
2.自分であらかじめ相場を調べておく
査定を依頼する前に、自分で相場を調べておくことを強くおすすめします。
なぜなら、自分である程度の相場感をつかめていないと、不動産会社が提示した査定額が適正であるか判断がつかないからです。
不動産会社は、自社に売却を任せてもらうためにわざと相場よりも高い査定額を提示してくることがあります。つい「こんなに高く売れるの!?」と嬉しくなってしまいますが、高い査定額を提示しただけで、その金額で売れるという保証はありません。むしろ相場からかけ離れた高い売り出し価格では買い手がつかず、「なかなか売れないので少し価格を下げましょう」と後から値下げをすることになる展開が見えています。
あらかじめ相場を知っておけば、査定額が適正かどうか見極めることができますから、不動産の物件サイトで、売りたい物件の条件に近いものを探し、おおよその相場感をつかんでおいてください。
3.物件のアピールポイントを考えておく
かつて自分が買主側だったことを思い出してみましょう。物件のどのようなポイントに惹かれて購入を決断しましたか?
物件のアピールポイントを整理することはとても大切です。販売活動をする際に活かせますし、内覧時に買主にスムーズに説明することができます。あわせてマイナスポイントもピックアップしておくと良いでしょう。どんな物件でも必ず悪い点があるはずです。買主側も良い点ばかりアピールされてもかえってしらけてしまうこともあります。中古物件ならなおさら「住んでいる人の本音」が聞きたいはずですから、いくつかピックアップしておいてくださいね。
4.住宅ローン残高を確認しておく
住宅ローンが残っている方はちょっと注意が必要です。
不動産の売却では、アンダーローン(売却金額が住宅ローンの残債よりも多い状態)であれば、売却したお金で一括返済できるので不動産売却できますが、オーバーローン(売却金額が住宅ローンの残債を下回っている状態)の場合は、不動産を売却してもローンが残ってしまいます。そのため、不足しているお金を用意しなければ不動産を売却できないのです。
お金を用意できない場合どうなるのかというと、新しいローンを組んで売却後も返済を続けるか、任意売却という手段もあります。ただ、任意売却の許可が出るかどうかは、金融機関の判断次第になります。金融機関の許可がおりなければ不動産を売却することができません。
基本的な考え方として、売却時に金融機関へ住宅ローンの残債を支払い、住宅ローンを完済させることが必須となりますが、住宅ローンの残債によっては、売却することができない可能性があることをご承知おきください。なお、金融機関に頼めば、住宅ローン残高の残高証明書を発行してくれます。
5.買主へ引き渡す書類があるか確認
不動産会社から必要書類について説明されるのが通常ですが、ご自身でもあらかじめ段取りを頭にいれておくことも大切です。
引き渡し当日、売り主が用意しておく書類は以下のとおりです。
用意する書類 | 内容 | 手続き |
実印 | 実印登録済みの印鑑 | 登記関係書類に押印 |
固定資産税納付書 | 固定資産税評価証明書でも可能 | 固定資産税分担金の計算に利用 |
権利証(登記識別情報) | 不動産の権利者・データが詳細に記載されたもの | 司法書士に提出する |
印鑑証明証 | 実印登録を証明する書類発行より(3ヵ月以内のもの) | 司法書士に提出する |
抵当権抹消書類 | 売却不動産の住宅ローン残債が有る場合 | 司法書士に提出する |
領収書 | 残代金の分と固定資産税分担金の分 | 買い主へ渡す |
物件の鍵 | 不動産会社から渡された物件の鍵 | 買い主へ渡す |
パンフレット・管理規約・建築確認通知書など | マンション・戸建てともに売却する不動産の詳細がわかる書類 | 買い主へ渡す |
あわせて、引き渡し日に売主と買主が支払う費用についても確認しておきましょう。
【売主が支払う費用】
・住宅ローンの一括返済費用(金融機関へ)
・登記費用(司法書士へ)
・仲介手数料(不動産会社へ)
※売却する不動産に住宅ローンの残債があった場合は、一括返済するための伝票と振込用紙を用意します。
【買主が支払う費用】
・残代金(売り主へ)
・固定資産税分担金(売り主へ)
・登記費用(司法書士へ)
・仲介手数料(売主へ)
6.売却時期と売り出し価格を決める
不動産会社に物件を査定してもらったら、実際にいつまでにいくらで売るのかを決めます。
ちなみに、査定価格は不動産会社がいくらで売れるかを目安にした数字なので、「査定額=売り出し価格」ではありません。必ずしもその価格で売りに出さなくても大丈夫です。
ひとつ注意しておきたいのは、そもそも売り出し価格とは、売主が買主に対して「この金額で売りたい」と示した、いわば「メーカー希望小売価格」のようなものです。売り出し価格から価格交渉を行うことが一般的なので、実際に成約したときの価格は、売り出し価格よりも低くなると考えておくと良いでしょう。
なお、住宅ローンの残債がある方は、残債以上の金額を売り出し価格として設定することが基本となります。
7.修繕履歴の確認
一戸建ての場合はマンションよりも修繕箇所が多いかと思います。
たとえば、シロアリの駆除や予防、外壁や屋根の修繕などの今まで行った修繕履歴をまとめておきましょう。放置されたボロボロの物件よりも定期的にメンテナンスされた物件の好感度は非常に高いです。アピールポイントになりますからいつ、どこを修繕したのか確認しておいてください。
8.土地の境界と利用履歴の確認
一戸建ての場合、特に注意しなければならないのが、隣地の所有者との境界です。
境界のことで隣人とトラブルになった場合、引き渡しができず、債務不履行で損害賠償を請求されるという最悪のケースも考えられます。必要に応じて、土地家屋調査士に測量を依頼することも検討しましょう。
[3]査定依頼をするときの注意点3つ
査定依頼は売却を成功させるための第一歩。知識ゼロで臨むよりは少しでも対策を練っておいた方が成功しやすいはずです。ここでは、査定依頼をするときに注意しておきたい点を3つ解説します。
1.複数の不動産会社に依頼する
査定依頼を1社に絞ってしまうと足元を見られて査定額を低く見積もられてしまうことがあります。できれば、複数の不動産会社に査定依頼することをおすすめします。
複数の会社に依頼をすると、査定額もバラバラになるときもあります。そもそも不動産には定価という概念がないので、不動産会社が持つ相場感、知識量、市場の変化によって査定価格に差が出てくるのです。
査定額があまりにも相場からかけ離れた査定価格を出してきた不動産会社につい売却を任せたくなりますが、本当にその査定額は適正か?熱心な販売活動をしてくれるのか?冷静に判断しましょう。また、大手だから必ず高く売れるとも限らないので、ネームバリューに流されないようにご注意ください。
参考:不動産会社によって査定額がバラバラなのはなぜ?【高額査定の意図】
2.物件の瑕疵(かし)も正直に伝える
2020年4月から法改正により瑕疵担保責任は契約不適合責任に変わりました。
「瑕疵」とは、本来備わっているべき性能・品質・機能が備わっていないことをいいます。不動産取引においては、購入段階では気付かず、実際に住み始めてから発見された欠陥や不具合、土壌汚染、シロアリ被害など売主も外部からでは確認できなったことを「隠れた瑕疵」といいます。
法改正前は、売買物件に隠れた瑕疵が見つかった場合、売主が無過失であっても瑕疵担保責任を負うものとされていましたが、改正後は「隠れていてもいなくても、買主は売主に対して契約不適合責任を追及できるようになりました。
売り出し価格が下がることを心配して瑕疵を隠すのは絶対にNGです。買主から瑕疵担保責任を追及されてしまうと、損害賠償または契約目的の達成できない場合は契約解除を求められることになります。売り出し価格が下がるどころか、もっと大きな損害を被ることになりますので、物件の瑕疵は査定の段階で正直に伝えましょう。
参考:瑕疵担保責任から契約不適合責任へ!売主と買主が取るべき対策とは
3.期限や売り出し価格などの希望は明確に
査定を依頼するときは、不動産会社にあなたの希望をしっかり伝えるようにしてください。
たとえば、売主が希望する内容は、以下のような内容が多いです。
・売却したい期限
・売り出し価格
・売却することを近所の人に知られたくない
・修繕せず、原状のまま購入してくれる買主を希望
・手残りがいくらになるか計算して欲しい
この中で重要なのは、「売却したい期限」と「売り出し価格」です。売却はどんなに順調に進んだとしても、4か月程度(販売期間3ヶ月+契約~引き渡しまで1ヶ月)は要します。早く売却して欲しい場合は、その旨を不動産会社にしっかりと伝えるようにしましょう。また、売り出し価格についても、住宅ローンの残債によって慎重に設定する必要がありますので、特にご注意ください。
[4] まとめ
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