頭金はいくら必要?ゼロでも家は買える?
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【目次】
[1]住宅を購入するための頭金の平均額はいくら?
[2]頭金が多ければ多いほど住宅ローンの借入金額を少なくできる
[3]頭金ゼロでも家は買える?貯まるまで待つべき?
[4]【年収別】住宅購入に使える金額の目安
1.自分に合った住宅ローンを選ぶ
[5]まとめ
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頭金があれば、住宅ローンの借入金額を抑えることができるので「買える物件価格」の範囲を広げることができます。その反面、頭金を貯めている間に「年齢が上がる事による住宅ローン借入期間の減少、金利が上がる」など、大きなリスクがあることも頭に入れておかなければなりません。
この記事では、住宅購入する際に頭金はいくら必要なのか、頭金ゼロでも買えるのかについて解説します。そして、みなさんが頭金をいくら貯めているのか平均額も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
[1] 住宅を購入するための頭金の平均額はいくら?
まずは、頭金の平均額をみていきましょう。
住宅ローン(フラット35)を利用したときの頭金の平均額 | |
土地付きの注文住宅 | 450.2万円 |
建売住宅 | 302.0万円 |
中古住宅 | 208.3万円 |
新築マンション | 705.6万円 |
中古マンション | 318.1万円 |
参考:住宅金融支援機構(2017年度フラット35利用者制度)
上図でみると、住宅の種類によって頭金の平均額に差があることが分かります。新築マンションの頭金の平均額が高い理由は、管理費や修繕積立金などの月々の支出があるからだと考えられます。
[2] 頭金が多ければ多いほど住宅ローンの借入金額を少なくできる
頭金の金額によって住宅ローンの借入金額を抑える効果があります。年収400万円を例に2019年10月時点の金利をみてみましょう。
頭金 | なし | 100 | 200 | 300 | 400 | 500 |
借入限度額 | 3,465 | |||||
購入限度額 | 3,465 | 3,565 | 3,665 | 3,765 | 3,865 | 3,965 |
(単位:万円)35年ローン・金利3%
頭金なしと500万円用意した場合の差額は500万円です。頭金があると、買える物件価格の範囲が広がることが分かりますね。
こうやって数字でみるとたくさん頭金を入れてしまいたくなりますが、それはまた別のリスクが発生してしまうので注意が必要です。
たとえば、住宅を購入する際には住宅ローン以外にも様々な諸費用がかかります。新築の場合は物件価格の5~7%、中古の場合は7~10%が諸費用の目安といわれています。4,000万円の物件であれば、新築で200万円~280万円、中古で280万円~400万円ほどかかる計算になります。この他にも、引っ越し代、新居の家具代、住宅購入後の支出に備えた貯蓄(お子様の教育費や自身が病気になったときの備え、住宅のメンテナンス費など)も予算に入れておかなければなりません。
[3] 頭金ゼロでも家は買える?貯まるまで待つべき?
「頭金はいくら用意すべきか」は長らく議論されていることです。
かつての銀行は物件価格の7~8割までしか融資してくれなかったため、残りの2~3割は頭金として用意するのが定説でした。しかし、ここ数年は史上に残る超低金利時代という事実も手伝い、頭金なしで住宅ローンを組むことは決して珍しいことではありません。
参考:住宅金融支援機構
上図をみると、住宅の購入にふみきれない理由として多くを占めているのは「将来の収入や生活に不安がある」「自己資金・頭金が不十分」であることが分かります。やはりお金に関することがネックになっている方が多いようです。
しかし、お金の次に挙がる理由が「気に入った物件・条件に合う物件がない」ということ。この理由を挙げた方々が頭金をいくら貯めているのかは定かではありませんが、2つのパターンに分けて考えてみたいと思います。
A:頭金は少ないけれど、気に入った物件はある
B:頭金はたくさん貯まったけれど、気に入った物件がない |
AとB、それぞれの住宅購入に踏み切れない不安要素について説明しましょう。
Aの場合は、借入金額の範囲は狭くなりますが、頭金がゼロでも利用できる住宅ローンはありますし、年齢も若ければ借入期間も長期にできます。買える範囲で気に入った物件があるのなら、「今が買い時」でしょう。
Bの場合は、せっかく何年もかけて頭金をたくさん貯めたのに気に入った物件が見つからず家を購入できないということですよね。「ここまで頑張って貯めたのだから絶対妥協したくない!」といったところでしょうか。
しかし、頭金を貯めた期間+希望物件が見つかるのを待っている間にどんどん歳をとってしまいます。そうなると借入期間は短くなり、月々の返済額が高くなってしまう可能性があります。また、待っている間に金利が上がる、引下げ金利(優遇金利)の引き下げ率減少などのリスクについても考える必要があります。
AとB、どちらが良いのかは言い切れませんが、頭金が貯まったときに(自分が家を買いたいタイミングに)欲しい物件が見つかる保証はありません。無理のない資金計画の範囲で住宅ローンが利用できるなら、欲しい物件が見つかったタイミングが買い時なのではないでしょうか。
[4] 【年収別】住宅購入に使える金額の目安
ここまで、頭金の平均額や必要性などについて解説しました。それでは、実際に年収からみた住宅購入に使える金額の目安を紹介します。
1.年収別にみた買える物件価格
以下の表は、年収からみた住宅購入費用の目安です。
実際にはこれに金利が上乗せされるので、購入可能額がもう少し安くなるとお考えください。
年収 | 頭金0円 | 頭金500万円 |
400万円 | 3,500万円 | 4,000万円 |
500万円 | 4,375万円 | 4,875万円 |
600万円 | 5,250万円 | 5,750万円 |
700万円 | 6,125万円 | 6,625万円 |
800万円 | 7,000万円 | 7,500万円 |
900万円 | 7,875万円 | 8,375万円 |
1,000万円 | 8,750万円 | 9,250万円 |
※年間返済額を年収の25%とし、35年ローンを組んだ場合