固定資産税・都市計画税っていくらかかるの?
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【目次】
[1]固定資産税とは
[2]都市計画税とは
[3]固定資産税と都市計画税の軽減措置
1.新築住宅は固定資産税が5年間、または3年間半額になる!?
2.土地の軽減措置は住宅を解体しない限り続く
[4]まとめ
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住宅を購入したら避けては通れない代表的な税金「固定資産税」と「都市計画税」。詳しい内容は知らなくても、この2つは家を買ったら払わなければならないということは分かっているという方は多いことでしょう。しかし「いつ払えばいいのか」「軽減措置はがあるって聞いたけど、具体的にどんな制度なのか分からない」など疑問をお持ちの方もいらっしゃるかと思います。そこで今回は、固定資産税と都市計画税の計算方法や、軽減措置などについて詳しく解説します。
[1] 固定資産税とは
固定資産税とは、毎年1月1日時点で土地や建物を所有している方に対して課せられる税金のことです。
不動産取引では引き渡し日(決済日・所有権の移転日)に固定資産税(日割分)を売り主に支払い、その後は年に1回、固定資産税を支払います。
固定資産税を算出するための計算式は、下記のとおりです。なお、評価額(固定資産税額)は3年に一度見直しがあります。
固定資産税=課税標準額(固定資産評価額)×税率(1.4%) |
横浜市の固定資産税の起算日1月1日を例にしてみると
(平成31年10月15日に決済・所有権移転の場合)
平成31年1月1日~平成31年10月14日までの分…売主負担 平成31年10月15日~平成31年12月31日までの分…買主負担 |
となります。起算日はお住まいの市町村によって異なるため、詳しくは各市町村の納税課までお問い合わせください。
[2] 都市計画税とは
都市計画税とは、市街化区域内に土地・建物を所有している者に課せられる税金のことです。
固定資産税と同様、毎年1月1日が起算日となり、軽減措置の特例もあります。税額は下記の計算式で算出されます。
都市計画税=課税標準額×上限0.3% |
なお、都市計画税は、公園・道路・下水道などの整備事業費などに充てることが目的とされており、市街化調整区域内の不動産(土地・建物)には都市計画税はかかりません。
[3] 固定資産税と都市計画税の軽減措置がある
固定資産税の税率は1.4%が標準ですが、住居用の土地や建物は、一定の条件を満たすことで軽減措置が適用されます。
条件を満たした場合は、固定資産税額が3年、または5年間1/2になります。
種別 | 適用条件 | 固定資産税 | 都市計画税 | |
住宅 (令和2年3月31日まで新築の場合) |
一戸建
マンション |
・3階以上の耐火・準耐火建築物
・専用住宅・店舗併用住宅(店舗併用の場合、居住スペースが1/2であること)
・居住部分の床面積が一戸につき50㎡以上280㎡以下 |
・3階以上の耐火・準耐火建築物…新築後5年間
1/2減額
・上記以外の一般の住宅…新築後3年間1/2減額
|
軽減なし |
土地 | 小規模住宅用土地 | 一戸あたり200㎡までの部分 | 土地の課税評価額が1/6に軽減 ※ただし、建物の床面積の10倍が限度 |
土地の課税評価額が1/3に軽減 |
一般住宅用土地 | 一戸あたり200m2を越える部分 | 土地の課税評価額が1/3に軽減 ※ただし、建物の床面積の10倍が限度 |
土地の課税評価額が2/3に軽減 |
※マンションの場合、敷地全体の面積を住居用住戸の戸数で割った面積を判定します。
1.新築住宅は固定資産税が5年間、または3年間半額になる!?
先述したとおり、新築住宅は一定の条件を満たせば、住宅購入後から固定資産税額が3年、または5年間1/2に減額される軽減措置があります。(ただし、居住床面積120m2までの部分についての減額となります)
新築住宅の減額適用時の税額算定式は以下のとおりです。
新築住宅の固定資産税額=課税標準額(=評価額)×1.4%×1/2 |
軽減措置は、令和2年3月31日までに新築された住宅に対して適用されていますが、さらに2年間(令和2年4月1日~令和4年3月31日)延長の予定です。減額期間が終了したら本来の税額に戻ることになり、これまで支払ってきた税額よりも上がるように感じるかと思います。余裕をもって資金計画をたてておきましょう。
2.土地の軽減措置は住宅を解体しない限り続く
新築住宅の軽減措置は一定期間のみですが、土地の場合は住宅を解体して更地にしない限りは軽減措置(住宅用地特例)が継続します。
つまり、たとえ誰も住んでいない空き家でも、解体さえしなければ固定資産税が安くなるのです。
あ、それなら解体せずに住宅を残しておこうと考えてはいけませんよ。空き家の増加は大きな社会問題となっているのです。管理されていない住宅を放置していると、放火や倒壊の恐れもありますし、周囲の景観も損ねてしまいます。それに、今後は空き家の放置について行政はますます厳しくなると思いますので、放置をすることは難しくなるでしょう。
「空き家対策特別措置法」という対策があります。空き家を放置していると、市町村から住宅の撤去や修繕、空き家周辺の美化(雑草や庭木の伐採など)をするように指導をされます。それでも改善されない場合は、勧告が出されます。勧告が出されると、固定資産税の軽減措置から除外され、最大で6倍の固定資産税がかかります。しかし、行政も鬼ではありません。自治体によっては解体・整地費を100%助成(上限額あり)するなどの支援対策も用意されています。空き家の所有者は、空き家の解体やまたは売却・修繕をして空き家を活用するなど、何らかの対策をする必要があるということを理解し、もし利用予定のない住宅を所有しているなら、お住まいの自治体に確認してみてはいかがでしょうか。