家を買っても家計が苦しくならない!無理のない「住宅予算」の考え方
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【目次】
[1]基本的な住宅予算の考え方
1.住宅購入のために貯金をすべて使わない
2.無理なく返せる金額を計算する
[2]年収だけで住宅予算を決めてはいけない
1.住宅予算は「年収の5倍まで」という考えはもう古い
2.年収は同じでも支出は人それぞれ
3.年収で分かる「買える物件価格」とは
[3]まとめ
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家を購入しようと思ったら、まずは貯金。「物件価格のほかに、諸費用、税金、頭金も貯めなきゃ…。家を買ったら貯金ぜんぶなくなるけどまたゼロから節約して貯金しよう!」
…ちょっと待ってください!その資金計画の立て方で本当に生活できますか?貯金まで手が回りますか?
多くの方は住宅予算を考えるときに「いくらの家が買えるのか」といった“家を購入するときの予算”しか考えていません。住宅購入は言わずもがな高額な買い物です。何年もかけて貯めた貯金がゼロになる方もいるでしょう。しかし、大切なのはマイホームを購入した後の生活なのです。この記事では、家計を圧迫させない住宅予算の考え方を解説します。
[1] 基本的な住宅予算の考え方
はじめに、住宅予算を考える際に気を付けて欲しいことをお話します。「そんなこと言われなくても分かっているよ!」と思われる内容かもしれませんが、住宅予算を決める上でとても大切な内容ですので、まずはご一読ください。
1.住宅購入のために貯金をすべて使わない
「家を買ったら貯金ぜんぶなくなちゃった。でもまたゼロから貯金すればいいや」という考え方は危険です!!
家を買うためにお金を貯めている、という方は多いかと思います。家を買うには物件価格のほかに、契約時に必要な初期費用、引っ越し代など物件価格以外にも様々なお金がかかるので、ある程度の自己資金は必要ですし、頭金があれば住宅ローンの借入金額も減らすことができます。しかし、家の購入のために貯蓄をすべて使い果たし「ゼロから新生活をスタート」というのは正直おすすめしません。家族が急に病気や怪我をする可能性もありますし、現在使っている家具家電が壊れることもあります。万が一の事態に備えて下記の費用は貯蓄から差し引いておきましょう。
◎貯蓄から差し引いておくべき資金
入居費用 | 一般的な新築住宅の場合、必要最低限の家具購入費は50万円程度必要といわれています。 |
緊急時用の貯蓄 | 怪我や病気、急な支出に備えるための貯蓄です。生活費の3カ月~半年分を目安。 |
将来のための貯蓄 | お子さまの教育費やマイカー購入資金など。 |
2.無理なく返せる金額を計算する
住宅ローンは「借りられる金額」ではなく「無理なく返せる金額」なのかをしっかりと考えることが重要です。
年収だけみれば余裕で返済できるとしても、それだけで「買える」と判断するのは危険です。毎月の保険料やマイカーの維持費、お子様の教育費、物件購入後にかかるランニングコストなどがあっても、毎月無理なく返せるのか計算してみましょう。
また、旅行や交際費、娯楽費、衣服費なども考えておくことも大切です。住宅ローンは長ければ35年も続きます。元から交際費や娯楽費にお金は使わないという方なら問題ないと思いますが、そうではない方はこれらの節約が大きなストレスになるかもしれません。幸せに暮らすために買ったマイホームですから、無理なく返せる金額を考えてみてくださいね。
購入後のランニングコストについて知りたい方はこちらの記事をどうぞ!知らなかった!はNG マイホーム購入後にかかる費用
[2] 年収だけで住宅予算を決めてはいけない
住宅予算を考える際に、年収から購入できる金額を考えるかと思います。どのように算出すればいいのか、年収による住宅予算の考え方を説明します。
1.住宅予算は「年収の5倍まで」という考えはもう古い
住宅購入の予算は「年収の5倍まで」という説がありますが、実はこの数字、25年前の収入を基準で算出されたものなのです。
現代における住宅購入の予算は、年収のいくらを目安に考えればよいのか考えてみましょう。
2018年時点での新築マンション年収倍率を例に説明します。
都道府県 | 年収倍率 | 平均年収 | マンション価格 |
埼玉県 | 10.13倍 | 467万円 | 4,732万円 |
千葉県 | 9.02倍 | 472万円 | 4,258万円 |
東京都 | 13.26倍 | 556万円 | 7,371万円 |
神奈川県 | 11.16倍 | 534万円 | 5,959万円 |
首都圏 | 11.01倍 | 507万円 | 5,580万円 |
※東京カンテイ調べ「新築・中古マンション価格の年収倍率 2018【改訂版】
神奈川県をみてみると、平均年収が534万円に対し年収倍率はなんと11倍を超えています。年収の5倍どころではありません。2020年の今、「年収の5倍まで」という考え方は都市伝説に近いといえるでしょう。
2.年収は同じでも支出は人それぞれ
「年収○○○万円ならこの物件が買える!」というのは、あくまで目安です。
目安には何の根拠もありません。年収と住宅価格から割り出した単なる数字でしかないのです。たとえあなたと同僚が同じ年収でも、家庭によって支出額は異なります。入るお金は一緒でも出ていくお金は違い、買える家も違うのです。
自分がいくらの家が買えるのか知りたい方は下記の記事を参考にしてください。
私の年収で、いくらの家を買える?「上限予算」と「支払い希望予算」を知ろう!
3.年収で分かる「買える物件価格」
上述したように、年収からみる住宅の購入予算は目安でしかありません。しかし、何の目安もないまま資産計画をたてるのは困難です。
そこで、年収別に「買える物件価格」をみていきましょう。
年収 | 買える物件価格の目安 |
400万円 | 2,000万円 |
500万円 | 2,500万円 |
600万円 | 3,000万円 |
700万円 | 3,600万円 |
800万円 | 4,100万円 |
1,000万円 |
5,700万円 |
※頭金500万円・35年ローンの場合
上記の表でみると、年収が400万円で頭金500万円の場合、買える物件価格の目安は2,000万円となります。頭金1,000万円の場合は、借入金額1,500万円、返済期間30年となります。無理のない返済比率でいえば、年収の25%まで、つまり年収が400万円であれば月8.3万円が買える物件価格の目安と考えておくとよいでしょう。
買える物件価格をUPさせたい!という方は下記の記事を参考にしてください。
[3] まとめ
「貯金ぜんぶなくなったけど家はギリギリ買えた!でも生活もギリギリになった…泣」なんて事態は避けましょう!
マイホームを購入した後も生活は続きます。幸せな生活をおくるために購入した家なのに、貯金を使い果たしてしまったから家計が苦しくて家の中がピリピリしている…なんて悲しいですよね。ある程度の住宅購入資金はもちろん必要ですが、購入後の生活のための資金も残しておいてくださいね。「いくら用意していくら残せばいいのか分からない!」「そもそも住宅予算をどうやって考えたら分からない!」という方は、不動産会社に相談するのもおすすめです。資金計画を立ててくれるだけではなく、予算にあった家探しをしてくれるのでとても効率がよいです。1週間悩んでいたことが数分で解決するかもしれませんよ!